見出し画像

これってスピッツが言ってたことだ

先日、友人との約束までの時間を映画でも観て潰そう、とひとり映画館へ。
ちょっと興味があった、是枝監督の新作〈怪物〉を選び鑑賞。
作品自体の内容や詳細な感想はネタバレを避けるためにも省くとして…
個人的に感じたことを記したいと思います。

この作品で描かれていた主題のひとつが、自分なりの解釈ではありますが自分が人と違うことを恐れる心、そして人と違う人間を恐れるあまり攻撃的になる心だったと思います。
それって、特に人と違うことを恐れて頑なになったり閉じ籠ったりする人間の姿って
スピッツの歌の中で描かれ続けてきたことじゃん?って
思ったんですよね。映画館出た後いつものように大好きなスピッツの曲をイヤホンから聴きながら。
初期のスピッツは、世界と相容れない自分を諦め、皮肉っていて、その姿は世界の隅っこで生きていて世の中の常識に疑問ばかり抱いている自分が共感できる唯一の世界だった。
そこから、スピッツは段々と世の中からはみ出している小さな者達へ自覚的に手を差し伸べてくれるような歌も紡ぐようになる。
でも決して上からではなく、同じ目線で世界を眺めてくれる存在であることに変わりはなかった。
ここ最近のアルバムでも、コメットや、まがった僕のしっぽや、最新作の一曲未来未来なんかでもその精神を感じることはできると思う。

どうも世間一般で良しとされていることがしっくりこない、みんなが当たり前にできていることが自分には難しくてとてもできない、みんなが変だというものに自分は妙に惹かれる…
そういったはみ出している自分(または自分の一部)を、変じゃないよ。僕もそうだし。でもこうやってなんとか生きていけてるよ
とそっと励ましてくれているような気がする。
それがスピッツの魅力のひとつだとずっと思っている。

映画〈怪物〉が主人公たちに向けた眼差しにも、それと似たようなものを感じた。
けれど、どんなに工夫を凝らした、役者の方が大変な演技で作り上げた映画よりも
スピッツが音楽で届けてくれるその魔法は
とてつもなく大きい、という事実に私は驚いてしまった。

と、ついついスピッツの凄さに日々感じ入ってしまう面倒くさい癖をもつ、そんなスピッツ狂の日記です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?