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INOV-8のROCLITE 282

今持っている靴の中で、一番良く履いているのがinov-8(イノヴェイト)のトレランシューズだ。所々剥げてきていて、色もだいぶくすんでしまっているが、まだまだ現役だ。5年以上前になるが、雑誌「popeye」に載っていたのを見て、わざわざ原宿まで買いに行った。

とても軽く、長時間歩くにも適している。GORE-TEX素材なので全天候対応。オールブラックなのでオン・オフ両対応。365日履ける、まさに最強の靴だ。妻に会うまではそう思っていた。

ある日、唐突に言われたのだが、妻からするとこの靴は「運動靴みたい」で「子供っぽく」て「ダサい」らしい。一緒に外出するときに履こうとすると嫌な顔をされる。というか嫌だと言われる。

これは青天の霹靂だった。私は「popeye」に掲載されているのだから、当然格好良さは誰が見ても合格点を超えているものだと思っていた。しかし、実際はトレランシューズを街中で履くという、発想の新しさやオーバースペック感が、格好良さを底上げしていたのだ。そんなコンテクストなど知らずに、この靴単体で評価した妻の意見は確かに理解できるし、いかに自分が情報に流されて生きているかに気付かされた。

この靴を履くたびにそのことを思う。もちろん、その時に妻は隣にいない。

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