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2023年6月のメッセージ

梅雨の時期になりました。雨の多い季節です。
雨は上から下に、空から地面に向かって落ちていきます。川が山から海に向かって流れていくのと同じように、雨も空から地面に向かって降ってきます。

人類は大きな進化を遂げましたが、いまだに雨が降れば傘をさします。天候を操作することができるようになっても傘をさしています。一方で科学的な進化を遂げても、他方ではいまだに原始的な方法を用います。

所詮、人が自然に抗おうとしても無理があります。日本は災害大国ですから、そのことをよく知っています。人はたくましく、災害が起きてもそのつど復興してきました。

災害はないに越したことはありませんが、災害があることで人は助け合う心を取り戻します。安心安全で自分の幸せを優先しがちな社会では、人はその安定を守ろうとします。所有感覚が強まります。物にしても安定にしても、手に入れたものを離すまいとします。そしてもっと手に入れようとします。

自分の持てるものが何もなくなった時、人は絶望します。
しかし人生は続きます。そこからの復活です。

安心安全の所有社会が続いたおかげで、人が人のことを気遣わない社会になってきています。自分の富や幸せを守ろうとします。

それはそれで大事なことですが、砦を築いてしまうと他を排斥します。シェアの感覚がなくなるのです。競争意識になります。人よりも多く持っていることがステイタスとなり、それがその人の価値を表すと勘違いしている人が多いです。

とくにお金に対してそうです。お金がある人ほど豊かであり、幸せであり、満たされているという錯覚に陥っています。それは本当ではないですが、それを信じている人があまりに多いです。もちろん人の価値はお金で計れるものではありません。お金はあるに越したことはないですが、その量が幸せを決めるわけではありません。

雨は海水が蒸発したものが上空で冷やされて集まり、雨となって落ちてきます。そしてそれが地面に染み込み、川となり、また海に注ぎます。
ずっと循環しています。地球上の水量が増えるわけではなく、循環することで成り立っています。

人が環境を破壊していったことにより、天候に異変が起きています。自然の中で行われていたさまざまな循環が乱されています。

「自分さえよければ」という気持ちは持続可能な循環を乱します。
お金も本来、循環させるべきものです。需要と供給がうまく回ることで経済もうまく回ります。どこかで誰かが独り占めしようとすると循環のバランスが乱され、あちこちに弊害が起きます。

私たちは自分のことだけでなく、地球全体の機能がうまく循環するよう心がけなくてはなりません。私たち自身もその循環の一端を担っています。

さまざまな循環があります。小規模の循環や大規模な循環。人の一生も循環です。循環ではなく、生から死への直線では?と思う人もいると思いますが、それは一個体の生物の一生です。

その生が生じるには、それを生じさせる意図や物理現象が必要となります。それは他の関係性の中で生じます。あなたが生じたいと思ったから生じるのではなく、まず全体の関係性の中で、必要に応じて「あなた」という存在が決定されます。ありとあらゆる循環システムの中からあなたという特異点が生じます。確定されていない要素はたくさんありますから、その可能性は未知数です。

あなたも循環システムの中の一員です。その自覚がもっとあるほうがいいです。
あなたという存在はあなたで終わりません。形を変えて継続していきます(輪廻転生の話ではなく、志しが受け継がれたり、土葬の頃は、土に還り、分解され、微生物のエサになった、など)。
そう考えると、なくなることはありません。形を変えて存在し続けます。

今のあなたも以前は違う形のエネルギーでした。今は「今のあなた」という形態を保っています。あなた自身も循環する存在なのです。

生まれて死ぬ個体であると考えるより、今はあなたという形をとっているエネルギーであるととらえてみましょう。視点が全く変わってきます。
空から降ってくる雨を見ながらそんなことについて考えてみましょう。

災害が起こりやすい月となりますので、いざという時に備えて事前の準備はしておきましょう。

良い気づきのある月となりますように。

「和音」2023.6.2


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