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同じ姉妹なのになぜ性格が違うのか?

性格というのはどの程度変わるものなのだろうか?自分自身のことを考えると、勤めをやめて自営業になってから、大分図太くなった感じがある(とはいっても人並み)。これは多分、商売の荒波で揉まれて遺伝子が変わったせいじゃないかと勝手に思っている。

実は遺伝子というのは生まれたあとでも結構変わることが分かっている。ガラリと変わるわけではない。楽譜で言えばピアニッシモの記号がついたり、台本で言えば、ト書きが変わる程度の変化だが、何がしかの影響で遺伝子は変わりうる。

こういった遺伝子の変化は生物学的にはエピジェネティクスと呼ばれる。いわば後天的な遺伝子の変化だ。今回取り上げる論文は、性格が対照的な双子の姉妹のエピジェネティクスを調査したもの。

性格特性のエピジェネティクス: リスクを取る行動が一致しない一卵性双生児に関する例示的研究
Epigenetics of personality traits: an illustrative study of identical twins discordant for risk-taking behavior

この研究で対象となったのは、アメリカのある双子の姉妹。一人は戦争ジャーナリスト、もうひとりは法律事務所で働いている。この二人にリスク選好性テストを行わせ、加えて遺伝子検査を行い、遺伝子の土の部分がエピジェネティックな変化があるかについて調べている。

結果としては、当然戦争ジャーナリストの姉妹のほうがリスク選好性が高く、それを示すようなエピジェネティックな変化もあったことが示されている。具体的には、ストレス反応に影響を与える遺伝子の座に変化があったと。

Q: もうちょっと突っ込んだところが知りたい。何があればエピジェネティックな変化があるものか。日常的な経験だけで影響が出るものか。

明日目を通す論文:
環境エピジェネティクス:曝露と反応関係のエピジェネティックな媒介の研究の展望
Environmental epigenetics: prospects for studying epigenetic mediation of exposure–response relationships

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