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戦争と言葉の科学:統合的複雑性

国際的な危機におけるコミュニケーションの統合的複雑性

Integrative complexity of communications in international crises

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/002200277702100108

統合的複雑性という言葉がある。

これはある言葉が含む認識の複雑性を示すような指標で、この値が高ければ高いほど、状況認識が複眼的で複雑であることを示していて、低ければ低いほど状況認識が単純であることを示すものらしい。

この論文は、この統合的複雑性を政治学の分野に持ち込み、第一次世界大戦とキューバ危機における政策決定者の統合的複雑性を測ったものになる。

ちなみに第一次世界大戦の意思決定者は、

イギリス:  エドワード・グレイ卿(外務次官)とニコルソン卿(外務次官)

フランス:  ルネ・ビビアニ首相兼外務大臣、ビエンベヌ・マーティン外務次官代行

ドイツ:  カイザー・ウィルヘルム2世、ベスマン・ハルウェグ伯爵(首相)

オーストリア・ハンガリー帝国:  フランツ・ヨーゼフ皇帝、ベルチトールド伯爵(外務大臣)

ロシア:  ニコラス将軍、サゾノフ外相

キューバ危機の意思決定者

アメリカ: ジョン・F・ケネディ大統領、ディーン・ラスク国務長官

ソ連:  フルシチョフ首相、グロムイコ外相

これらの人物による言葉を収集し、計算式に則り統合的複雑性を出し、比較したのが以下の表。

これに加えて20世紀初頭と中盤で危機を回避したものと危機に至ったものの比較が以下のもの

このように、政治家の言動と危機の関係が統合的複雑性で説明しうることが示されている。

Q: 統合的複雑性ってどうやって測るの?

明日目を通す論文:

概念的/統合的な複雑さのためのコーディングマニュアル

Coding manual for conceptual/integrative complexity

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