カリスマ性判定尺度？

カリスマ性がほしくないといえば嘘にはなりますが、いったいカリスマ性というのはどのようにして評価できるものなのでしょうか？

今回取り上げる論文は、カリスマ性の評価をビッグファイブ尺度の項目を用いて作成し、その信頼性を検証したものになります。

5因子モデルのカリスマ複合体の開発とそのキャリア成果との関係
Development of a Five-Factor Model charisma compound and its relations to career outcomes

この研究ではビッグファイブ尺度の項目の中から、カリスマ性にかかわる項目を選び出し、その信頼性を検討しています。項目は以下となります（いずれも10点満点計算）

・リラックスしている、無関心、クール（神経症的傾向（反転）：不安になりやすい）
・楽観的（神経症的傾向（反転）：弱気になりやすい）
・自信家、口達者、恥知らず（神経症的傾向（反転）：緊張しやすい）
・明晰な思考、恐れ知らず、動じない（神経症的傾向（反転）：傷つきやすい）
・誠実、愛情、愛着（開放性：暖かさが高い）、
・社交的、外向的（開放性：社交性が高い）、
・支配的、力強い（外向性：主張性が高い）、
・活発、エネルギッシュ、アクティブ（外向性：活動が高い）、
・幸せ、明るい、楽しい（外向性：肯定的感情が高い）
・行動における開放性が高い（開放性：型破り、奇抜）、
・価値観の開放性が高い（開放性：寛容、広い心）
・達成しようとする努力が高い（誠実性: ワーカホリック、野心的）

ちなみに目安としては各項目7点以上（反転項目は3点以下）でカリスマ性が高いという判断がなされています。

またこのモデルで検証したところ、大学生の15年後の社会的地位や所得を予想できたことも示されています。

Q:　芸術家のビッグファイブってどんなふうなんだろう？

明日目を通す論文：
音大生と美大生の性格特性と心理的症状
Personality Traits and Psychological Symptoms of Music and Art Students.