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サディストは努力家?

世の中にはいろんな人間がいますが、その中には好んで人を傷つけるタイプの人間がいます。またこのような気質は特別なものではなく、教室や職場、ちょっと昔のテレビ番組などでは良く見られるものでもあります。このような心の気質は嗜虐性、あるいはサディズムと呼ばれるのですが、今日取り上げる論文はサディストの行動傾向について調べたものもになります。

日常的なサディズムの行動確認

Behavioral confirmation of everyday sadism

この研究では2つの実験で成り立っており、
1つ目の実験では被験者に虫をコーヒーミルですりつぶして殺す課題を行わせます(実際は音だけで殺さず)。またこの時の楽しさ・興奮・高揚感についても聞き取ります。結果としてはサディズム傾向の高い被験者は多くの虫を殺し、なおかつ楽しさ・興奮・高揚感のレベルも高かったことが示されています。

二つ目の実験では、被験者に競争や認知課題を行わせ、その成績結果次第で相手に不快音を与えられる権利を与えます。するとサディズム傾向の高い被験者は退屈な認知課題であっても熱心に行ったことが示されています。すなわち相手に苦痛を与えるために努力を行うことが示されています。

このような実験結果から、サディストは相手に苦痛を与えることを喜び・報酬として感じられる傾向があり、そのための労力を厭わないのではないかと論じられています。

Q: この研究で使われた日常的なサディズム傾向を測る心理尺度を知りたい。

明日読む論文:
ショート サディスティック インパルス スケール( SSIS )の心理測定特性と有用性
The psychometric properties and utility of the Short Sadistic Impulse Scale (SSIS).

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