見出し画像

あるもので工夫して想いを載せて届ける




私は今で言うパパっ子で
仕事で山に行く時も去っていく
車を追いかけて泣き落として
一緒に連れて行って貰っていた



風邪をひいて病院へ行く時
たまたま付き添うのが父だと
飛んで喜んで(お母さんごめん🤣)


病院の帰りにこっそり
熱を下げるためにと
アイスを買ってくれたり、
小洒落た喫茶店で内緒で
ご飯を食べて帰ったりした
(あのエビフライ美味しかったなぁ)



父も私のことはめちゃくちゃに
可愛がってくれていたし
(兄弟たちもみんな声を揃えてそう言う)
あったかい瞳で見守ってくれてるのは
今もずっと変わらない


ある日父は仕事のためフェリーで
北海道へ行くことになった

すぐ帰ってくるとわかっていても
遠くへ行ってしまうことは
とても辛かった


その時私は父にお弁当を作った
台所にあるタッパーに
塩焼きの秋刀魚とご飯たくあんを入れたと思う



お父さんが好きな秋刀魚
道中お腹が空いたら食べて満たされてほしい、
私のことを忘れないでほしい

そう思う一心で詰め込んで
ハンカチで包み
泣きながら渡したのを覚えている

“気をつけて行ってきてね”

父はそれをフェリーの中で
泣きながら食べたと
今でもたまに話してくれる


あるもので工夫して
想いを載せて届ける



すでに内包しているものを
想いを載せて届ける  


それで心を震わせることが
出来ることを私はすでに
経験していたんだった







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?