ケースのはなし③ 会場に行くまでの心得と対策
アコーディオンを運ぶのには色々と苦労がつきものです。プロの方で大型の15キロ位のアコを2台持ちしてスタジオに向かう、なんて方もいらっしゃるそうですが本当にすごいことだと思います。
今回はこれからアコーディオンをはじめる方々に向けて、運搬で気を付けることや役立つ情報などを、個人的な経験談を交えて記事にしてみました。
まずは、大事な指を痛めないように・・・
私は行きの運搬で指を痛めてしまうことが多いです。どこかしらでアコーディオンを持ち上げる瞬間が出てくるので、その時に指に負担がかかってしまうんですよね。
なのでアコ運ぶときはなるべく左手で持ち上げたりします。もちろん左指も痛めたくないんですけど・・・左手に比べると右指の方が細かい動きが多いので。万が一左手が故障しても部分的には右手でカバーできるけど、右手の指を痛めると左ではどうにもカバーできないからです。
片方の腕や指だけに負担がかからないように、左右交互にバランスよく持つというのも一つの方法ですね。
早すぎるくらい早めの時間配分を
目的地にたどり着くためには、電車の場合アコ持参しない場合に比べて軽く1時間は早く家を出るくらいの余裕が必要かと思います。理由は色々あります。
荷物まとめるの大変問題
梱包に思った以上に時間がかかる(手荷物を工夫しないと、腕の本数が足りなくなる。)
特に衣装や化粧品、機材などが多い方は、その点も考えておかねばなりません。
雨の日問題
雨の日は傘をさすのに腕が1本取られるので、手荷物はリュックかショルダーバッグに替えねばなりません。でもアコーディオンがリュック式だったらトートバックにしなきゃいけないし…とか、色々やることが増える。
電車問題
・初めて降りる駅だと、エレベーター・エスカレーターを探すのに時間がかかる。
・駅のエレベーター・エスカレーターが、「最短経路」にあるとは限らない(駅の一番端っこにしかエレベーターが設置されていない→行き着くまで時間ロス→乗ろうと思っていた電車に間に合わない)
・乗り換え駅で道に迷うかもしれない(私は初めて降りる駅は必ず迷います。笑)
・駅にエレベーター・エスカレーターがない場合は10kg以上のかたまりを人力で持ち上げてホームまでたどり着かねばならない
・乗り換えにるために駅構内を10分以上歩かねばならない駅に下りてしまうかも知れない(私は大手町でこれを経験。しかも大手町は短い階段が多いのがツラかった・・・オールバリアフリーの駅は天国のように感じる。)
・人が多いラッシュ時だと、アコーディオンを携えてはとてもじゃないけど電車に乗れない→満員電車なので何本か電車を見送る→見送っても見送っても乗れない・・・。
少しでも空いている車両を見つけて乗るために、時間に余裕を持っておいた方がよいです。
本番当日というのは普段よりも緊張してますし、いつもと違う場所で演奏せねばなりません。前日は早めに寝て、朝は余裕をもって家を出るつもりで。初めて赴く場所はたいてい、早すぎるくらいに出てちょうど良いくらいの時間に着きます。
早く着きすぎてしまったらそれはそれで有意義です。まず休憩をとって体を休め、必要であれば着替えや化粧直しをします。あとは本番に向けてのイメージトレーニングや、音出し、会場の響きや客席のキャパシティなどを確認する作業にあてられます。
移動時に助かる!お役立ちサイト
アコーディオン含め、楽器の運搬がたいへんな奏者さんたちのご用達サイトをご紹介します。
⑴ベビーメトロ
ベビーカーの利用者の方が、エレベーターの位置を事前に確認するためのルートチェッカーサイト「ベビーメトロ」です。メトロのみですが、各駅の情報、駅構内図、エレベーターの位置、乗車位置なんかが詳しく載っています。
私がとってもイイ!と思った機能は、「乗り換えのしやすさを〇✖で表示してくれている」ところ!先ほど書いたの大手町乗り換え問題も、事前に回避することができます。
⑵スムーズメトロ
こちらのサイトも先輩ミュージシャンの方々が御用達なサイトのようです。
こちらは車いす利用者の為にデザインされたサイトです。ベビーメトロと同じく、各駅の情報、駅構内図、エレベーターの位置、乗車位置などが調べられるのに加えて、なんとホームと車両床面の段差・隙間の情報が載っています!車いすの方ならではの知りたいポイントですよね。
これは、アコーディオンをキャリーケースやガラガラに載せて運ぶ方にも重宝するサイトかと思います。
たとえエレベーターがある駅でも、そこまで行きつくのに階段を必ず通らなければならないとか、路線案内アプリでは「乗り換え可能駅」と表示されているけど実際降りてみると乗り換えに15分歩く羽目になったとか・・・
あとは一回屋外に出ないと乗り換えられない駅とかもありますね。これは悪天候の日は大変ですし、地上に出るのには長い階段かと最奥にあるエレベーターに乗らねばならない確率が高いので避けたいところです。
たとえ遠回りでも運賃がかかろうとも、ライフ(体力)が減らないルートを選ぶべきです。演奏前に心が折れないように・・・
今回の記事は以上となります。
なんだか大変な面ばかり書いてしまいましたが(汗)、アコーディオンを楽しまれる方々、そしてアコーディオンニストの方と一緒に演奏される方々にも参考になれば幸いです。
では、また!