見出し画像

音色切替スイッチのはなし①スイッチの役割とは

音色切替スイッチとは何か?


アコーディオンの中型~大型機種には必ずついているスイッチがあります。それが「音色切替スイッチ」といわれるボタンです。「メロディースイッチ」「レジスター」、「トーンセレクター」などと呼ばれることもあります。

画像6

鍵盤の根元付近に並んでいるボタン、これがメロディースイッチです。ドットは、リード音域の高低を表しています。真ん中がM(ミドル:中音域)、上がH(ハイ:高音域)、下がL(ロー:低音域)です。 

メーカーや機種によって、そのデザインは様々です。

画像6

 

画像7

↑ このようにドット表記ではなく、出音のイメージ(バイオリン、クラリネット、バンドネオンなど)が書かれているものもあります。

 

アコーディオンの発音体

イタリアツアー3日目_191222_0174

アコーディオン発音体は、写真のような「金属のリード」です。それぞれのリードのかたまりによって音の高さやピッチが異なります。


スイッチの役割

このリードの音域の「高さ」と「組み合わせ」を選ぶのが、メロディースイッチの役割です。



機種によっては、H(ハイ)リードが入ってないものもあります。

基準のピッチは機種や造られた年代などによって異なります。日本で主流なピッチは442Hzですが、元から440Hzで調律された機種もあります。

画像7

M(ミドル)が2個以上あるスイッチは音域が同じピッチが微妙に異なるMリードを同時に鳴らすスイッチになります。わざとピッチをずらすことにより、音に波動ができ、いわゆる哀愁漂う、アコーディオンらしい音色が鳴ります。
ちなみに、MMドットが2つ並んだ場合は、右側のドットの方がピッチの高いリードを指します。

画像7

メロディースイッチの音色表です。チャンバー装置付きのものは、該当するリードセットが白い〇で表されることが多いです。こちらはエキセルシァー社のものですが、この楽器名の基準は各社異なりますので、あくまで音のイメージという風にお考え下さい。

 

セット、列笛とは

アコーディオンの大きさは大中小と様々ありますが、それはリードボックスの数に比例します。その楽器のスペックを示す際によく用いられる言葉なのですが、下記のようにいくつか呼ばれ方があります。

異なるリードが
・二枚一度に鳴らせる楽器 
→2セット、二枚リード、二列笛
・三枚一度に鳴らせる楽器
→3セット、三枚リード、三列笛
・四枚一度に鳴らせる楽器
→4セット、四枚リード、四列笛
と呼ばれます。

画像11
小型のアコーディオン

小型アコーディオンのほとんどが二枚リードで、三枚リードは中型、四枚リード以上は大型アコになります。

画像11
中型のアコーディオン
画像10
大型のアコーディオン

4セットのアコーディオン一台には標準音程のMリード二枚と、1オクターブ下のLリード一枚、1オクターブ上のHリード一枚が入っています。よってスイッチによってMMトーン、MLトーン、HMトーンをつくることができます。

Hリードがなく、MMMとLの4セットというアコーディオンもあります。その場合はMMMのスイッチが選択でき、音圧と迫力があるひときわ派手な音色のミュゼットトーンが奏でられます。アコーディオンにしかない独特な響きのひとつですね。

うまく利用すれば、それだけでもまた表現の幅が広がる音色切替スイッチ。一部の小型機種を除いてほとんどに付いておりますので、よく観察してみて、アコーディオンの多彩さを楽しんでみてくださいね。

では、また!

 

いいなと思ったら応援しよう!

アコーディオン横丁
応援してくれたら嬉しいです。励みになります。文字から伝えられるアコーディオン情報の発信、研究に努めます!🪗