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アコーディオンの取扱い説明書

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アコーディオンに備わっている機能に関する記事、お手入れグッズや演奏に関連するアイテムなどについていろいろ。
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アコーディオン取扱い上の注意①

アコーディオンを取り扱う際の基本的な注意事項をまとめてみました。 湿気とホコリは大敵これは他の楽器でもそうですね。アコーディオンは内部の構造が複雑なので、一度これらが付着してしまうと掃除や修理にかなりの手間がかかります。中のリードと鍵盤を支える芯棒は金属のためサビやすいです。普段から注意しましょう。 潮風、塩分も大敵アコーディオンは常に外部と内部を空気が行き来します。海辺などで弾いた後は(なかなか無いでしょうが)、必ず内部の塩分を含んだ空気を入れ替えてください。内部に塩分

アコーディオン取扱い上の注意② 運搬のこと

アコーディオンは、1台の中に細かいパーツがたくさん組み込まれております。運搬する際の振動、運ぶ向きには注意が必要です。 アコーディオンの中身はとっても複雑! アコーディオンのベース部分は大変複雑な作りになっておりまして、輸送中の僅かな振動、その時の上下方向によってはベースのパーツがズレてしまいます。 1個ズレると、他の部分も連動して落ちてしまうので写真のような状態になってしまい、とてもやっかいです。直すのにも時間がかかります。 発送する際の注意事項 宅配便で楽器を送

アコーディオンは何を基準に、どんな機種を買えばいいのか?値段の相場は?

「アコーディオンを弾いてみたい」「習ってみたい」と思われる方がまず最初に悩むのが、「何を基準に楽器を選んだら良いのか?」という点だと思います。 今回は、楽器店で働いた経験を活かして、私なりの楽器選びの基準を解説していきたいと思います。   アコーディオン購入の際のチェックポイントアコーディオンと一言にいっても、大きさ、重さ、鍵盤の数、リードの数、音色など、本当にたくさんの種類のアコーディオンが存在します。 ピアノやギターのように一般的に普及している楽器に比べると流通量は少

アコーディオンはどこまで修理可能なの?費用はどれくらい?

今回は、アコーディオンの修理を依頼する際に知っておきたいことについて書いていきたいと思います。 アコーディオンの中身と外観 アコーディオンは基本的に、大切に使用していればとても長持ちする楽器です。日ごろから取扱いや保存に注意し、メンテナンスをしていけば、中~高級アコでしたら50年は使い続けられるでしょう。 それでもどうしても肌などに触れる部分や置く時に地面に当たる部分などは消耗しやすく、色あせや金属の劣化などで年代を感じる見た目になってしまう機種もあります。 自分ででき

音色切替スイッチのはなし①スイッチの役割とは

音色切替スイッチとは何か? アコーディオンの中型~大型機種には必ずついているスイッチがあります。それが「音色切替スイッチ」といわれるボタンです。「メロディースイッチ」「レジスター」、「トーンセレクター」などと呼ばれることもあります。 鍵盤の根元付近に並んでいるボタン、これがメロディースイッチです。ドットは、リード音域の高低を表しています。真ん中がM(ミドル:中音域)、上がH(ハイ:高音域)、下がL(ロー:低音域)です。  メーカーや機種によって、そのデザインは様々です。

音色切替スイッチのはなし②音色の成分とは

スイッチの組み合わせと数は、その機種によってすべて異なります。同じ機種でも、製造年によってはその組み合わせが違ったりすることもあります。 今回はスイッチ操作に関連した知識として、アコーディオンの音色はどのような種類があるのかについて解説していきたいと思います。音の構成成分を知れば、効果的なスイッチ操作ができますので是非ご一読ください。 アコーディオンが織り成す音の成分アコーディオンの独特の音色、それは同音と倍音の組み合わせということになります。押さえる鍵盤やボタンは1つだ

音色切替スイッチのはなし③左手ベース側スイッチを有効活用する

スイッチ使い分けの面白さスイッチの切り替えはアコーディオンを始めたばかりの時は少し難しい操作かと思います。アコーディオンのスイッチは鍵盤側についているので、構えた状態では角度的に目視確認が難しいのです。(胸当て側にスイッチが付いている機種もありますが、やはり位置の確認は必要な準備です。) 特に曲中にスイッチを切り替えることは少し難しいので、正しいスイッチをどのタイミングで押すかの練習は、運指や曲の練習と共にする必要があります。 ミュゼットの曲中でスイッチを切り替えてみる

アコーディオンストラップのはなし① 種類とつけ方

アコーディオンを演奏する際に欠かせないパーツのひとつがストラップです。背バンド、肩ベルト、ベルトと書かれていたりもしますが、すべて同じものを指しています。 ストラップは楽器の一部も同然何気なく楽器に装着されておりますが、アコーディオンはこのストラップがないと演奏ができません。ベルトで身体と楽器とを固定しないと、そもそも楽器を持ち上げることもできませんし、長さが適切でないと蛇腹を動かすことや鍵盤・ボタンの操作しやすさが変わるので演奏力にかなり影響が出ます。 今回はもはや楽器

ケースのはなし① 一般的なケースの種類

今回はアコーディオンを入れるケースについて書いていきます。 ケースの役割楽器のケースは、新品の楽器を購入すればほぼ確実に付属してくるアイテムですが、アコーディオンにおいてはこの選択肢と使い方が、演奏活動において影響するけっこう大事な問題だったりしますので、是非ご一読ください。まずケースの種類の話からしていきたいと思います。  ケースの役割とは 1.楽器を保存するため 2.楽器を持ち歩くため この2つです。それぞれについて解説していきます。 1.保存について これは

ケースのはなし② 運搬時のアイテム

楽器の運搬はアコーディオニストたちにとって避けられないことですが、これは一度経験された方ならおわかりであろう大変な重労働になります。 リュック型ソフトケースに入れて背負うスタイルが王道ですが、大型の楽器や重量のある楽器の場合、ずっと背負って歩くのはちょっとキツいなぁ・・・という方も多くいらっしゃると思います。今回は、運搬の際によく使われるアイテムの紹介をしていきたいと思います。 アコーディオン運搬時よく使うアイテムソフトケース これは運搬する際には一番よく使われるケース

ケースのはなし③ 会場に行くまでの心得と対策

アコーディオンを運ぶのには色々と苦労がつきものです。プロの方で大型の15キロ位のアコを2台持ちしてスタジオに向かう、なんて方もいらっしゃるそうですが本当にすごいことだと思います。 今回はこれからアコーディオンをはじめる方々に向けて、運搬で気を付けることや役立つ情報などを、個人的な経験談を交えて記事にしてみました。 まずは、大事な指を痛めないように・・・私は行きの運搬で指を痛めてしまうことが多いです。どこかしらでアコーディオンを持ち上げる瞬間が出てくるので、その時に指に負担

アコーディオン取扱い上の注意③ おうちでできるお手入れ

アコーディオンは外側も中身も精密な造りをしているので、どこまで自分でメンテナンスしていいのかよくわかりませんよね。今回はおうちでもできる簡単なお手入れ方法をまとめてみました。 楽器の表面を拭くベース部をクロスでカラ拭きする まず最初に気になる部分は、左手のベース部(ベースバンドの下)の汚れです。一番動きが激しく、腕に触れている面積も多い場所ですから、手垢や指紋が付きやすいです。 こちらは、演奏の前後などに乾いたクロスでカラ拭きしてください。 ・綿製などのやわらかいクロス

アコーディオンストラップの話② 自分で穴を開ける場合

アコーディオンのストラップはイタリアなど海外で生産されているものが多いです。イタリア人に比べて平均的に日本人は小柄なので、そのままのサイズは少し長すぎる場合があります。 ベルトの穴を一番短い穴に調整しても足りなくて、弾いている時にグラグラするので自分で穴開けてみようと思います。 使った器具はこちらとトンカチ。 トンカチで叩くタイプのものは金具が通るギリギリ(クッション性あるところ)まで穴開けられました。 ついでにすき間の所もたくさん穴開けといて、服の厚みなどで微妙に長

内蔵マイクの修理に関して

このように、すでに本体にマイクが内臓されているモデルというのが存在します。ボリュームとトーン(ゲイン)調整つまみが付いています。ちなみに左右(鍵盤側もベース側も)にマイク付いてるのでどちらの音も拾ってくれます。 しかし、経年劣化によりなんらかの故障で中古楽器ではマイクが反応しないものが多いです。マイクの修理をご希望の場合は、要相談となります。 これは、マイクの修理の有無で販売価格がかなり変わるからというのが理由です。マイク故障の理由が断線によるものでしたら数万円で修理が可