最期の言葉
いや・・もういいんだ
気づいちゃった。というか、分かってた。
いつからだろうな
望んでないんだって。
楽しいことばっかの世界とか
魅力的な人ばっかの世界とか
仕事がなくなるとか
自由になるとか
いっぱい時間があったってさ
どうせどうでもいいことに使っちゃうって。
誰かの噂話したり
テレビの誰かを悪くいったり
自分でも嫌になるほどわがままになったり
身近な人のちょっとしたところにイライラしたり
誰かとどうでもいいことで比べたり
自分の見た目とか
能力のなさとか
変な妄想が止まらなかったり
不安になったり
誰も自分を必要としてない感覚になったり
死にたくなったりするだけだって。
だから滅茶苦茶でグチャグチャで
自分以上にダメで問題だらけな世界のほうがよかった
犯罪者がいて
痴漢する人がいて
お金にがめつい人もいて
ブサイクで
希望もない人もいて
貧乏で自由がない人もいる
それで安心できた。居心地がよかった。
都合がいいところだけ切り取って
自分のことをマシだと思えた
見下せて、何かのせいにできた。
原因も分かってた
それがダメだって分かってても変えれなかった
すっきりした世界で きれいな世界で
生きていく自信がなかった
浮いてしまうのが怖かった
内面も、外見も、話すことも
毎日の生活も、表情も発想も。全部。
それよりも、滅茶苦茶な世界で
テキトーでいくらでもごまかせる曖昧な世界で
自分のことをマシだと思えるほうがよかった
何をやっても 面白くなかった。
感じる力 それに限界を感じてた
感じれなくなったのは 心の汚さだって
明け渡したり 混ざりあう 勇気のなさだって
それでも 心の悪さまで認めてたまるかと思ってた
本当はありがたい なんて微塵も思ってなかった
ただこの鬱憤が少しでも晴れればよかった
多分、全部が鬱憤晴らしだった
いろいろ形を変えた鬱憤晴らし
まともになろうとしたら
一番損でキツイのも知ってた
楽をしたかった とにかく今
手っ取り早く楽したかった
救われたかった とにかく自分だけ 早く。
小っちゃい頃はそうじゃなかったと思う
大人になって逆に行けばいくほど
もう無理だと思うようになった
開き直ろうとしてもっと変な方にいった。
自業自得だって分かってた
もうこうなったら、いくらでもおかしくなれよ
どうせ人間 みんな そんなもんだろ
正義?正論? おもろないんじゃ
堂々としゃべりおって 何様だと思っとるん
ほれみろ 目立ちすぎじゃ
そうやって思い込んで腐して生きてきた ごまかしてきた。
逆。子供の頃に思ってた希望みたいなもの
今の自分の逆側にあるのは なんとなくわかってた
今ならやっと おめでとうと思える
頑張ってた人たち 本当に頑張ってた人たち
お前もだ おめでとう 悪かったな
乗り切れよ 俺らが消えるまで
人でなくなっちまった奴らから
明るい世界で 俺らの分も 生きてな
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?