永川勝浩投手コーチがたどり着いた場所
広島カープ 永川勝浩投手コーチ
セントラルリーグのペナントレース前半を、2位で折り返した広島カープ。
今シーズンより、このカープの1軍投手コーチに昇格した永川勝浩さんと
のお付き合いは2012年の12年前に遡ります。
当時は現役の投手として、上達屋がピッチングパフォーマンス調律をサポート。
広島工房史上、最も「操育プログラム」を愛用いただいた選手でした。
その使用頻度はまるで、
「永川さん、なんかスーパー銭湯の年間パスポート首から下げてるっぽくないですか・・・?」
【上達屋 広島工房】広島の上達屋ってプロ野球選手じゃなくても通えるんだ? https://www.youtube.com/watch?v=HmpHEYpj-W4
さて、その永川さん、プロ通算165セーブというみごとな生涯成績を残し、2019年に現役を引退。
2020年からファームの投手コーチという新たな道に進みます。
実はそこから、永川さんとは、現役時代にはまったく話題に上ることがなかった話を議論する仲になっていきました。
その議論の内容とは、選手への接し方についての悩み事。
コーチになった当初は、選手との距離間、アドバイスのタイミングなど、手探り状態でスタート
した新職業に、コーチングという生業の難しさを実感されたとのこと。
そういった相談事を善き方向に向けて進めるべく、永川さんとは、節目節目で電話やメールでの
情報交換に加え、毎年オフのクリスマス時期には上京、都内で膝を突き合わせての「コーチング談義」も恒例になっていきました。
そして、今シーズン前のオフに東京で会ったとき、ボクはある予感を受けていました。
「永川さん、おめでとうございます。“待てる”ようになりましたね。もうだいじょうぶ」
上達屋の選手との接し方の3大原則、『ほめず、教えず、助言せず』、その選手の存在をただ“承認”し待つ。
するとある日、「永川さん、訊いてもらいたい話があるんですが・・・」と選手側からお声が掛かる。
そこまで、1年掛かろうが、2年掛かろうが、じっと待つ。
極端な話、待っている間に引退してしまうかもしれない。
それでも「オレはオマエのことはいつも見ているからな」と、上手くなって欲しいという気持ちを伝えて待つ。
その日は突然現れます。
ある日、選手側にコーチングを受け入れる準備が整う。
その日が来るまで、“放認(放って認め)”し、じっと待つのがコーチの仕事。
インドの古い教えとされるこんな言葉があります。
『弟子が準備できた時に、師は現れる』。
そうなのです。選手側の準備ができてない限り、それは時期がまだ早いのです。
コーチングとは“待つこと”と見つけたり。
毎年、この心の持ち様の重要性を永川さんに伝えるのがボクの役目だったのですが、
今年のオフはそれができる域まで来た・・・と感じさせる佇まいが永川さんにありました。
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/standings/detail/1
84試合消化時点で、チーム防御率は12球団中トップとなる2.16。
なかなかお目に掛かれない数字になりましたね。
永川さん、おめでとうございます!