今更ながら『カクナリ!6』~洋楽ネタ「Best Hit SENDAGAYA!」選曲解説(というほどでもない)

※注意
本文章は『カクナリ!6』で私の駄文をお読みでない方には意味不明な可能性がございます。読んだ方でも意味不明な恐れがあります。

どうも、野口です。

新型コロナウイルスに警戒しつつ花粉症との戦いに連戦連敗中です。

『カクナリ!7』の原稿作業が絶賛停滞中ですので、思い出したかのように1つ前の『カクナリ!6』に載せて頂いた自分のネタをお恥ずかしながら振り返ってみようかと思います。

はじめに~『カクナリ!』出稿作の傾向と対策(?)

『カクナリ!』シリーズ参加は『6』で3度目(実は『2』でひっそり初出という)です。『2』で将棋×料理、『5』で将棋×洋酒という流れで、回を追うごとに将棋の本何だか何だかよく分からないスタイルを確立(?)、いよいよネタがふん詰まり気味だったところで満を持して音楽ネタを投入となりました。しかも驚きはこんな癖の強い書き手が掲載順2番目(テキスト勢トップバッター)という編集長の英断というか何というか。まあ書いてる本人もロクに台割見ずに書いていざページ数を付けるぞとなった時に気づいたんですが。

タイトルの通りイメージは「ベストヒットUSA」、本家はTVですが字書きなのでラジオ番組風にアレンジ、将棋ファンがリクエストをする感じにしました。『2』までは符号やら手順やらにも触れてましたが、「そういうのは詳しい人に任せよう!」とぶん投げ、今回も一切符号を使わないスタイルを貫徹しました(最近の将棋が難しくて分からないともいう)

創作の課程としては
選曲 → 「お便り」の内容 → ラジオネーム
の順に組み立てる流れ、将棋の本なのに選曲が一番先とは()

(この時期、執筆者本人はメンタル不調からの仕事復帰後半年経ったあたり、体力・集中力ともに本調子からほど遠い状態。驚くほど筆が進まず過去最大の苦戦、原稿を読み返しても全く伸びがない)

1曲目 - While My Guitar Gently Weeps

R.N. 迷える子ウサギ
While My Guitar Gently Weeps / The Beatles (1968)

(歌詞) http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=38741

ラジオネームは羽生家ツイッターを見ていて何となく思いついたもの。お便りの内容は捌けない棒銀のお話です。現代将棋の攻めは桂馬中心と言われるようにとにかくスピードが速く、銀を押し出すような攻めが好きな私としてはどうももぞもぞする感じが否めずこのようなネタに。

歌は「銀が泣いている」からの連想で、The Beatles "While My Guitar Gently Weeps"を選曲。邦楽ネタであればおそらく柳ジョージ&レイニーウッドの「雨に泣いてる...(Weeping In The Rain)」になっていたと思います。ブルースチックなのが好きなんですねやっぱり。

2曲目 - I Don't Want To Miss A Thing

R.N. 寝る将入門中
I Don't Want To Miss A Thing / Aerosmith (1998)

(歌詞) http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=58731

丁度この直前の時期(2020年7月)、新型コロナウイルス感染症拡大に伴ってNHK杯の収録が止まるなどしてましたね。収録再開後、トーナメントの放映遅れを取り戻す関係で一時深夜枠での放送も行われており、「夜中に○○先生の解説を聴いたら確実に寝る」という声がちらほら。ラジオネームは単純にそういうことです。

選曲は映画「アルマゲドン」のテーマ、Aerosmith "I Don't Want To Miss A Thing" 完璧にサビの歌詞一発でのチョイスです。私の持ち歌でもあるんですが(原キーじゃ歌えないけど)、歌詞が非常に平易で押韻も分かりやすく、英語の歌の練習にはかなり適していると思います。あと、コード進行が簡単(笑) 2番の詞は特に日本人にとって厳しい"r"の発音が連続するので慣らし無しで歌うと舌が攣ります。

3曲目 - Any Way You Want It

R.N. 一級ログハウス建築士
Any Way You Want It / Journey (1980)

(歌詞) https://genius.com/Journey-any-way-you-want-it-lyrics

こちらのラジオネームはいわゆる「丸太」です。このパートだけお便りの内容から入り、選曲をしました。ギリギリまでQueen "Don't Stop Me Now"と迷いましたが、映画「Bohemian Rhapsody」に引きずられ過ぎな感もあったのでJourneyに落ち着いた次第です。研究合戦で難解極める現代将棋の中で、一本気な自分の読みと感覚を信じる「あの人」の姿にはこの曲の詞がピッタリだと思います。

90年代以降、試行錯誤の続いたバンドの復活を印象付けたのがArnel Pinedaの加入後、2008年Las Vegas公演での"Any Way You Want It"だったと個人的には思っています。というかこの曲もう40年前の歌なんですね。

4曲目 - Greatest Love Of All

R.N. 浪花節だよ相矢倉は
Greatest Love Of All / Whitney Houston (1986)

(歌詞) http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=38940

矢倉戦が好きなのでどこかで矢倉の話を無理やり入れようとした結果がこのパートでした。角換わりの研究が一巡というか難解になり過ぎた結果かどうか分かりませんが、この時期公式戦で矢倉の登場頻度が上昇、藤井聡太二冠の初戴冠の原動力ともなりました。AIが進歩したからこそ「人間が指したらどうか」という部分に再度スポットライトがあたり、その結果として複雑で懐の深い「矢倉」が戦法として注目されたということだと思います。AI時代における人間の「尊厳」とは何だろうか、とか考えて書こうかと思いましたがはっきりした言葉って出てこないものですね。

この曲と出会ったのは高校時代、イギリスに短期留学した時でした。往路の飛行機で聴いていたラジオから流れてきて、歌詞のストレートさにある種の衝撃を受けた記憶があります。改めて詞を見て、あの日シベリアの上空高度33,000ftで高校1年生の自分が胸に抱いたような、真っ直ぐな生き方を出来ているだろうか、と苦しくなるような気がします。同じくWhitney Houston "I Will Always Love You"と迷いましたが、思い入れでしょうかこちらにしました。

5曲目 - Bridge Over Troubled Water

R.N. 冷やし中華に餅追加
Bridge Over Troubled Water / Simon & Garfunkel (1970)

(歌詞) http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=38501

ラジオネームに特に深い意味はなく、正直お便りの内容も将棋中継などにおけるメディアミックス、よく言われていることではあります。読み直してみると無計画に書き始めた結果、どう締めていいか窮した感じがプンプンします。

選曲も王道です。あまりに有名すぎるので割愛します(笑) こういう時には、こういう時だから、シンプルにいい曲です(ベースラインとかよく見ると色々細かいこともやってます流石Paul Simon) 本家が素晴らしいのはもちろんですが、The Alfee 桜井賢さんのカバーが素晴らしく絶品です(WEBに転がってたような)

おわりに~『カクナリ!7』の予定

ざーっと前回を振り返りましたが、次回『カクナリ!7』でも音楽ネタです。今度は邦楽です。『6』ではかなり年代が偏ったので今回は何とか広く広くと思ってますがまあ厳しそうです(笑) そして段取りの仕方を変えたせいで予定ページを大幅オーバー、急遽1ページ増やしていただきました(かるこえ編集長ありがとうございます) 結果、前回は前から2番目でしたが、今度は尻から2番目という妙なプレッシャーが、が、が。まあ、心配したところで名文がひねり出せるかと言いますとどうにもなりませんので、今まで通りやっていこうと思っております。

『カクナリ!7』が読者の皆さんのところへ届くのに合わせて、また軽く裏話を垂れ流そうかと思いますので、気が向きましたらお付き合いください。

それでは、また。

Ryohei Noguchi

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