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貧乏性ハム事件

ある朝、冷蔵庫を開けた妻との会話です。

妻「何、このハム?」
私「あ、オレが入れたよ」
妻「はあ。ふざけんな」「これじゃほかのハムが傷むだろ」

冷蔵庫には、長方形のトレーに入った10枚入りのハムがありました。
9枚は整然と並んでいましたが、
先頭の1枚だけクシャッとしていました。
妻は、そのハムに激怒したのです。
  

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ことのいきさつは前夜にあります。
リビングの床に1枚のハムが落ちていました。
状況からして、明らかに子どもが落とし
それほど時間は経っていませんでした。

「もったいないな」と思った私は、
そのハムを拾って洗い、
水を切って冷蔵庫の中にあった、
ハムのトレーに戻しました。
「いいことをした」との認識でいました。

ところが・・・

ハムは子どもが学校に持っていくサンドイッチをつくる
ためのものだったようです。

会話は続きます。
私「だって、もったいないじゃん」
妻「ほかのハムがびしょびしょになっただろ」
私「そんなはずはない。水を切っている」
妻「そういう季節なの。食中毒になったらどうするんだ」
私「ふっ、それはないでしょ」
妻「なんでそんなことがいえるんだよ」
私「すぐ拾って、洗ったから」
妻「ヤダ、ヤダ、こんな貧乏くさいこと」
妻「これじゃサンドイッチが作れない」

そう言って、無言でティッシュにくるんだハムを、
テーブルに座っていた私の前に放り投げました。

私はムカつきましたが、食べられるならまあいいかと思い、
無言を貫きました。

妻「はー、貧乏はイヤだ」
私「一蓮托生だよ」
妻「意味わかんねーこというな。とりあえず、謝ればいいんだよ」

妻はぶつぶつつぶやきながら、サンドイッチを作っていました。
子どもたちは、また始まったか、という表情で寝ぼけた表情で
テレビを見ていました。




  

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