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『101回目のコロ騒ぎ』  第七話 スターシャとアシャータ

テツオが基地外に出て空を見上げた。
すると、空からテツオを見下ろすホトケ風の
変なオッサンがいた。
 テツオの後に続いて、アツコ、ヨウスケ、
リツコ、サム、トレーラー運転手も外に出て
ホトケのオッサンを見上げた。
 アツコがテツオに尋ねた。
「だれ? あのオッサン」
テツオが答える。「知らん。」
リツコが皮肉っぽく言う。
「誰も知らないなら、ほっとけば~(笑)
ホトケだけに。」
このダジャレに一同、大笑いした。

・・・とそこに、風鈴将軍と、サムに呼ばれた
妻のスターシャがやってきた。
スターシャは、ホトケのオッサンを見ると、
みんなに紹介した。
「あれは、銀河連合総司令官のアシャータよ。」

サムもみんなも仰天した様子だった。
風鈴将軍が続けた。
「実は、われわれ宇宙秘密作戦隊は、
銀河連合の援助を受けながら、子供たちの救出と
この地球を支配してきたエイリアンたちの殲滅、
地球と宇宙に平和を取り戻すための活動をして
きたんだ。 サムと懇意になったのは、
奥さんのスターシャの協力も必要だったからなんだ。」

驚くサムとテツオたち。
さらにスターシャが続ける。
「私もアシャータも、もともとは銀河のかなたにある
イスカンジャータ星からの転生組なの。そして、
テツオさんもリツコさんも。地球に転生するときに
前世の記憶を消去されてるから思い出せないだけなの。
ブルーアイは、イスカンジャータ星の純粋な魂の証でも
あるの。」

ホトケのアシャータが口を開く。
「私とスターシャは常にテレパシーでコンタクトを
とっている。そして、風鈴将軍とは特殊無線を使っている。
今回は、最終かつ不可逆的な作戦が必要なので、
こうして姿を見せながら、勇者テツオと愉快な仲間たちに
指令を伝えにきたんじゃ。
すでに宇宙秘密作戦隊の本部があるアメリカのカリフラ湾に
待機しているトランブル大統領は承認済みの作戦じゃ。
 地中海と大西洋に待機している208カ国の軍隊からなる
同盟軍と合流し、スイスイ国の巨大地下施設セボンを
襲撃して、144,000人の子供たちを救出せよ!
さらに、地下施設の中心部にあるブラックホールを作り出すほどの
強力なプラズマ発生装置を完全に破壊せよ!
 進入経路は、大西洋沖と地中海に地下トンネルの入り口がある。
風鈴将軍もすでに知っているから大丈夫じゃ。
その入り口から特殊潜水艇で進入して作戦を実行するのじゃ。
 わしら銀河連合は、上空に待機し、
あんたら潜水艇による作戦を援護する。
エイリアンとエイリアンと人間との
ハイブリッド“人でなし”だけを焼き尽くす“神の杖”と
呼ばれる光の矢を地底施設めがけて降り注ぐから
安心して、思う存分大暴れするがよい(高笑い)
 おっと、言い忘れた。魔王率いるエイリアンと
“人でなし”の組織を簡単に伝えておく。
宇宙を支配しようと企んでいるエイリアンは
魔王サンザンクロースを頂点に、“人でなし”の大臣がおる。
左大臣がムダナコドーモ、右大臣がロクデモナーイフェリー。
そして、使いっぱしりのピルゲッツー。
テツオたちが子供たちを救出した、あの軽井沢の別荘の
持ち主が使いっぱしりのピルゲッツーじゃ(笑い)
 あとはアーモンドアイのグレイや、爬虫類種族が
うようよしていて不気味なところじゃ。
 油断するでないぞ。
 では、さらばじゃ! あ・ば・よ~!」

そう言い残して、ホトケのオッサンはドロンした。

風鈴将軍がみんなに言った。
「これから、スイスイ国に進入するべく、我々も
パイパニック号で大西洋に向かう。すでに準備は
できているから、今夜は決戦に備えて英気を
養っておくように。」

テツオとアサコは互いに求め合い、一夜を共にした。

リツコはハニーフラッシュで、ヨウスケを蜂蜜罠に
落とした。二人は、激しく熱く燃えて、長い夜を
過ごした・・・あ~ん♡

サムとスターシャも久しぶりに合体した
(ズッコンバッコン・・・あ~ん♡)

風鈴将軍、トレーラー運転手は
それぞれ、個別に一人さみしく慰めたのだった。

こうして決戦前夜の夜は更けていった・・・

    ~ つづく ~

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