江戸前横綱・シャリノ海!

「おうおう親父ィ!今日こそ耳揃えてカネ返してくれるんだろうな!」
二人組のチンピラ、佐治と次郎は岬寿司の暖簾をくぐるなりがなり立てる。

「うるせえぞ!ここは寿司屋だ、食わねえ奴はけぇんな!」
「はいそうですか、って金貸しが帰りゃ商売になんねーんだよ!いい加減社長は待てねえとさ!」
岬寿司の大将、岬源太郎は二人組のチンピラにもまったく怖気づく様子もなく啖呵を切った。

「仕込み中の寿司屋に入るとはいい度胸……と言いたいが、オメェらの様な景気の悪い野郎が営業中に来ても客が来ねえばかりだしな……ふん、ちょうどいい。おい、教えた通り、こいつらに寿司を握ってやれ」

「あ?何言って……は?」
佐治は大将の後ろの荷物が動き出すのを見た……違う、荷物ではない、とてつもない大男だ。

「ウス……」
とてつもない大男は鉢巻をぎゅっと締め両腕を開き……パァン!と柏手を鳴らした。

「喜べチンピラども、横綱の握る寿司、食わせてやる」


#逆噴射小説大賞 #逆噴射プラクティス

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