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「高いね」と言われた、僕のコピー。

商談も終盤戦のヤマ場を迎えていた。

営業担当が
堂々と細々の絶妙な合間の姿勢で、
マスク越しでも笑っているが
目は全然笑っていない、
お決まりの見積もり提出書スタイル
先方へ見積書を提出。
あと2年で定年退職のベテラン営業らしい、
安心感のある見積書提出スタイル。

からの、一瞬の静寂。
緊張。

僕は余計な口出しはしない。

そして先方の社長が一言。

「合計金額は良いんだけど、コピーが高くない?」


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「企画でメシを食べる」ことに惹かれた。

僕が最初に「言葉の企画」を知ったのは、その前身となる
「企画でメシを食っていく」を知ったことでした。

この出会いから今に至るまでは、
次の課題に備えてじっくり深堀りすることにして、
何より僕が惹かれたことは「企画でメシ」という、
言うならば自分の企画でお金を稼ぐこと、なんですよね。


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シンプルに傷付いた。

冒頭の話に戻る。
というか、まさに今週の話。

・「言葉の企画」を受講している最中に起きたこと
・前回の芦田さんの回の後に体験できたこと
ということもあり
ある意味必然のタイミングだったのかな、と実感したので、
急遽、差し替えです。テレビ風に言うと特番です。

とある地元企業さんがロゴを差し替えるタイミングで、
タグラインも作る案件にコピーライターとして参加。

紆余曲折ありながらも初提案。
タグラインの案を数案持っていくと
すごく喜んでくれた。

「こういうことを言いたかった」
「会社としての姿勢がしっかり表現されている」

と、ありがたいフィードバックをいただく。あぁ、ホッとする。
個人的に嬉しかったのは、
企画書にコピーを検討する軸として記載した
「クライアントの仕事の定義」をすごく気に入ってもらって
「HPに入れよう!」「会社資料の1Pはコレだ!」など
社長様からとても良いお言葉を!

あぁ、自分の企画が伝わるって、嬉しいなぁ。

いくつかのやりとりを経て、タグラインも確定。
ロゴマークも方向性が見えてきた矢先。

冒頭に戻る。

「合計金額は良いんだけど、コピーが高くない?」

営業担当から穏やかに弁明の言葉が入っている間、
「合計金額は良いんだけど」という枕詞に引っかかりまくっていた。

「見積合計 XX円」というのは OKの中、
「コピーライティング XX円」の項目に引っかかった。
じゃあ仮に、
コピーの費用が-Y円で、デザインが+Y円の見積書なら
それはOKだったのか…?
とか、色々とぐるぐる考えてしまい、
僕自身からはその議論について発言することが出来なかった。なさけな。

帰り道では
「深くは考えるな。とりあえず値引きが出来るか聞いてきているだけ。気にしなくて良い。」

「いや…でもあそこでしっかり自分の仕事の価値を伝えないと…」

「それで下手に言い返して刺激してもアカンから。これから先の付き合いもあるんだし、あれでよかったで〜」

とのフォローを受けるも
とはいえ「値引かれても良いこと」と、思われたことに
非常にやるせなさを感じていた。
それまでの反応も良かっただけに、尚更。

今となって冷静に振り返ると、
あの場で年齢が2倍以上離れているクライアントの社長に対して、
「俺の仕事はそんなに安くねえ!」
的なことを発言したら結構大変なことになっていた気がする。
それに、価値を感じてもらえなかったことはシンプルに力不足。
この悔しさは忘れちゃいけないな。


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「企画でメシを食べる」覚悟

エピソードトークが伸びたので、ここからはマキで。
以前の記事は、2回目の講師であるテレビディレクターの芦田太郎さんからの課題に取り組んでいる時に感じたこと。

↓芦田さんのnote↓

社内で企画を出し、実行し、信頼を勝ち得ていくこと。
テレビという逆境でありながらも、絶対的な地位を活かして、確固たる作り手としての信念をブラさないこと。
自分の「面白い」を疑いながらも信じること

これまでは、広告というほぼ一発勝負の世界の方からの話を聞いてきましたが、
立場がまた違う「終わらせてはいけないコンテンツ(=番組)」を企画し続ける現場の方の講義は
同じ「企画」でありながら、新しい考え方を知りました。

ひとつ印象的だったことは

「演者に頼っている企画は、企画ではない」

という話。

例えば、ゲストを招いて、そこから色々話を聞く番組。
よくあるトーク番組だが、その番組で何を伝えるのか。何が届けられるのかは、演者とゲスト次第。
要するに「他人任せ」なものである、と。
自分の企画なんだから、自分が思う方向へ明確に進められるような
そんな指針のようなものが企画でもあり、
そしてそれを貫き、番組を続けていくための背骨にしていき、
その場の流れに合わせて強度を強くしていくことが
芦田さんなりの「企画でメシを食べていく」軸のひとつなんだろうな、と
僕なりの解釈。


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企画でもっと美味いメシを食べたい。

広告会社のプランナーであるため、
お給料はいただいており、
その内容はどうであれ
「企画でメシは食べさせてもらっている」状況ではある。
案件も増えて、仕事量もありがたいことに尽きることが無いので
少しずつ自分でも成長できてるかな…と実感していた矢先に。

芦田さんの企画に立ち向かう話を伺い、
色々「企画」について考えさせられ
「コピーが高いね」案件が発生。
自分の企画の価値を
もっと強くせなあかんので、と気付いた週でもありました。

傷付き→気付き→築く。

言葉の企画、主宰の阿部さんからの講義や著書にもあげられている言葉。

傷ついて、気づいて、一生モノの優しさになる。こう思うようになって捉え方が変わった。悔しいのはこわくない。悔しさを忘れてしまうのがこわい。何もなかったことにはしない。その先に行けるようにする。

そうだよなぁ。
この悔しさは一回、僕の心にぽっかり穴を空けられたけど、
またそれをもっと強く埋められるだけ、企画に向き合うしかないんだよなぁ。
と、言い聞かせて、次へ。

ここ数日の仕事の慌ただしさも加勢して
常に企画について考える日々になりました。
(ここ2週間で一気に老けた気が…)

脳内汗だく。でも楽しい。
僕は企画で美味いメシを食べたい。
そう思えるきっかけを作ってくれた阿部さん、芦田さん、言葉の企画生の皆さんに、改めて感謝を。

次の課題の内容、めちゃくちゃワクワクしますね。



※note提出、遅れてしまいごめんなさい。
「寝るまでが今日!」のつもりで仕上げていたら、
どうみても「翌日」になってしまいました。


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