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企画の矢印を長く、強く。

言葉の企画生、(たぶん)唯一の四国から参加中の太田です。
前回の反省を生かして今回は水玉の話はしません。

「言葉の企画」でたくさんの企画書を読んでいる中で、
「企画中にずっとボヤボヤしていたことの正体」に
シャンプー中になんとなく気がついたので、忘れぬうちにnoteを。

企画には矢印がある。

絶賛参加中の「言葉の企画2020」を主宰している阿部広太郎さんは

言葉を企画することは、幸福の矢印を企てること。

と、表現されていて、納得感が非常に強かった。


企画ができるまでの矢印は、寄り道をする。

しかし、だ。

【広告主】→→→【世の中】

という形ができる前に

【広告会社】→→→【広告主】→→→【世の中】

という、流れがほとんど。
で、この消費者に至るまでにも色々な紆余曲折があるよな、と考えていて
阿部さんのお言葉を勝手に拝借して
「企画ができる矢印」
があるなぁ、とすごく実感。
端的に言うと、企画を考えるまでに
「ああでもない、こうでもない」と、考える時の頭の中身。

で、そこには「事情」という強敵がいる。

○担当者は新聞広告を信頼してるから、必ず入れよう。
○担当者がXXでイベントしたいって。企画に入れといて。
○これは若年の女性向けの企画です。(審査員は全員50代以上の男性)
(これ以上書いたら、ただのグチになりそうだから自粛。)

「え?マジでこのオリエンでそれやんの?」というのもしばしば。
この辺りは「左ききのエレン」で見事に表現されていて、
セルフスタンディングオーベーション。

制約がある中でアイディアを出せるかも
プランナーの腕の見せ所だと自分に言い聞かせる…。
大変だけど、ちょっと楽しんでいる自分もいる。
そんな中ちょいちょい思うことが今回の主題。

これって、誰のための企画だ?

今回、言葉の企画の課題に取り組んでいた皆さんも
もしかしたら同じことを思っていた…かも。
今回の課題を要約すると

・某TV局のディレクター(現役)さんからの課題
・某タレントAまたはBのどちらかを活用した番組の企画書
・ゴールデン帯のファミリー向けの番組
(不必要に人を傷つけるような番組は×)
(自分が見たい番組にしてください)
(特番ではなくてレギュラーに耐えられる番組)

といったもの。
シンプルに考えたら

【TVの中のAさんorBさん】→→→【お茶の間】

として、どのような番組がよいか考えますが
ここでひっかかったのが

(自分が見たい番組にしてください)

という、一文。
あ、コレ、田中さんの本に書いてたことだ!!(進研ゼミ風に)

そりゃ自分が見たい!と、思わなきゃ誰も見たい!とは思わないだろうし。
でも、「自分が見たいもの」=「世間が見たいもの」なのかなぁ。
昔、家族でご飯食べてる時…。
僕が見たい巨人戦見てたら、姉ちゃんに「かえていい?」
って、よく言われてたなぁ…。

・もちろん「お茶の間」のための番組である。
・それ以前に「自分が見たい」を思わないといけないよね。
・「自分が見たい」と「お茶の間が見たい」を近づける「なにか」を企画しないとね。

と、脳内ボヤ騒ぎ。

「企画を決める人もいる」ということ

「そもそも番組として採用させるには、上司を説得させなくちゃアカン」
という、また違った方向の矢印も出現。
これも大切な「事情」のひとつ。

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今回の企画はある程度の条件はあるものの
中身の指定はほぼゼロ。
説得させる相手が仕事なら直の上司にあたる人。
(この場合は出題をいただいた某ディレクターさん)
じゃあ、この人に企画を気に入られる必要もあるやん。
という方向に。
あくまで講座の課題だからそこまで考えすぎる必要はないんだろうけど、
やはりその人が作った番組とかは気になるし、
内容も引っ張られそうになる。
ボヤがだいぶ広がってきましたね。

僕なりのマイ定義

頑張って整理してみた結果、
次の流れを通過して始めてお茶の間に流れるTV番組になる。

【自分】→【上司のD】→【それより偉い人】→【TV】→【お茶の間】

そりゃそうだ。そこがテレビの公共性。
そして忘れるな。上司のために作る企画は無いし、上司もそれは求めてないぞ〜。

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要するに
矢印をめちゃくちゃ硬くて長いものにしないと、絶対通らんやんけ!!
という、考えすぎて一回バカになったときに気がついた普通のこと
を、もっと重要視する必要があると考えました。

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【今回の企画のマイ定義】
★多くの人を納得付けるだけの説得力が強いものを。
①:世間が知りたいこと。or世間が知るべきこと。
  +そして僕も知りたいこと。
②:それを決裁者が納得する背景があること。
  +それを裏付ける具体性を作ること。
③:「ゴールデン」「レギュラー」「指定のキャスト」にハマること。

と、めちゃくちゃ具体的に決定しました。おぉ、ボヤが消えてきたぞ…。
その結果の企画は、18番の企画書をご覧ください。
(1枚にまとめる、という条件に合わせて図々しく2つの企画を書いている企画書です。僕は左側の案がおすすめです。)

※重要※
あたかも偉そうに成功談風に書いていますが、コレが正解!ってわけでは絶対に無いです。
というか、もっと広い視野を持つべきだったと、皆さんの企画書を読んで実感しています。
なんだか上記の考え方に固執してしまって、面白みが無い企画になってしまった…。

ここに至るまでに

・僕が見たいから、野球中継(他局)のをだらだら見ている某タレントを映すだけの番組
・過去の名作ドラマを某タレントさんが実況しているのを見ている番組
・出題者さんに気に入られるために、その人の番組をドチャクソにパロった番組

といった、【自分】→【上司のD】のヤジルシだけを意識した、数々のボツ企画が生まれました。
本来はその先の【お茶の間】まで届けないといけないのに。

どこを攻めるかも、企画者としての「戦略」だと思う。

他の企画生の皆さんの企画書を見て、
本当に目からうろこラッシュでした。大漁大漁。

◎出題者である方へ向けて「○○さんへ」からはじまる
「企画書はラブレターだ」ということをそのまま体現したもの。

◎ご自身が「見たい!」にとにかく振り切って、熱量が伝わるもの。

◎他のヒット番組を分析して、成功が裏付けされたもの。

「あー、こんな企画の方法があるのか〜」とひざポンラッシュ。

これって本当にコンペの審査員側の気持ちになりました。
そこでやっぱり重要なことは自分のモノサシを強固にすること。
皆さんの企画がそれぞれで良いところがあるし、頑張れば形になる。
じゃあその中で「伝わりました総選挙」のために5つ選ぶために
自分の審査基準はどこに置くのか、を自分で企画することも
重要なんだな、と改めて実感。
それぞれが、それぞれの戦略で文字通り番組を企んでいる。
偉そうに「テレビ局の最終決裁者」になったつもりで

・勝算がある見通しが立っているか
・他と重ならない独自性があるか
・自分が見たいと思えるか

という3つで選んでいます。
まだ5つまでは絞りきれない。
提出する企画すら絞りきれなかった僕にとっては
本当に絞ることは難しい作業ですが、
あと1日で企画トーナメントを完了させます…!


最後に本当にどうでも良いこと。

無印のシャンプー用のブラシ、
頭に血が巡って、凝り固まった頭をほぐしまくるので
マジでおすすめです。


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