21.8.11. 旅行2

112.旅行2

 旅行二日目、朝。チェックアウトぎりぎりに出発する。28時起きていたからだ。朝食は必然的にブランチに。同行者の女の子がおしゃれなモーニングを見繕ってくれたのでそこに行く。手続きとか店選びとか、何かと彼女に頼ってばかりだ。謝意。
 卵とかベーコンとかがいい感じに乗ったいい感じのトーストを食べる。注文が届くまでだいぶ時間があったから、”Feel free to use”みたいに書いてあったUNOとトランプで少し遊んだ。こういうインテリアを兼ねたグッズを実際に使うのは初めてだった。当然ながら普通に楽しめた。それにしても、ああして気軽にカードゲームに興じることができたのは間違いなくテーブルがデカかったからだ。全体的にデカい店だった。僕はデカい店が好きだ。行きつけの喫茶店はだいたい席のデカい店だ。空間のゆとりは心のゆとりである。デカいのは良い。この店とは関係ないが、京都は歩道全般もやたらとデカかったので、歩いていて気分が良かった。ビバ区画整備。
 あと、そこのお店、
トイレがモンティホール問題みたいでウケた。指摘したら同行者の男の子が大爆笑して「絶対1000RTは行く」と豪語していた。そんなわけないだろ。
 彼は今日が誕生日なので、三人でケーキを食べに行く。「マールブランシュ」という有名なお店らしい(ここも彼女が教えてくれた)。抹茶のケーキ、ミルフィーユ、モンブランを三人で注文して、それぞれを一口ずつシェアした。特にモンブランがすごかった。そもそもこのモンブランはオートクチュールで、ラム酒の種類とか、あと他の何だったかもいちいち自分好みにカスタマイズできる。そして選んだそれらを目の前で実際に調理して盛り付けてもらえるのだ。食前から唾液腺を刺激していた高級ラム酒の良い香りは、口の中ではより芳醇に味わうことができた。今回の旅行で一番美味かった。
 腹ごなしに金閣寺へ。綺麗。デカい。こんな庭欲しー。
 暗くなってきたので大阪へと向かう。今回の旅行は京都旅行ではなくあくまで関西旅行だ。二日目に大阪に行ったら、三日目にはもう神戸に移動する予定だ。というのも、大阪での用事は一件しかない。とあるカフェでコーヒーを飲むだけ。
 そのカフェは大阪中心部のビル群の中にある。十人ほど入ればもうパンパンの小さなコーヒー屋。ターゲット層は出勤中のサラリーマン中心だという。失礼な話、大阪に来ていの一番に来るようなお店ではないかもしれない。
 ここは同行者の子のお父さんのお店だ。
 苦味の強いブラックコーヒー。仕事の合間にクッと飲んだら、きっと爽やかな気つけが効くのだろう。
 店を出たときはもう夜も深かった。ふわふわのたこ焼きをつまんで、成人したての彼と飲んで、ぐっすりと寝た。

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