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今どこにいるかではなく、どこに向かって進んでいるか

重要なのは、今どこにいるかではなく、どこに向かって進んでいるかだ

大学の入学式で、学長はそんなことを言っていた。
うちの大学は、国立大学の受験に失敗して不本意入学する学生も多い。そんな納得いかない学生を啓蒙するように、学長はその言葉を引用した。

とは言っても、学長のスピーチに耳を傾ける人なんて、小学生の頃からずっと少数派。式が終わってから、学生たちはその話をしばらくネタにしていた。かくいう僕も人の話をそんなに真剣に聞く人間ではない。
なんとなく頭の片隅に覚えていたくらいだ。

その話を思い出したのは、外国人観光客をガイドするために何度も足を運んだ場所を、久しぶりに訪れたから。

「間違った知識を伝えてはいけない」と、一つ一つの建物や細かい歴史をガイドブックと照らし合わせたのが懐かしい。学んだ知識はほとんど忘れてしまったので「京都に来たら案内してあげるよ」という得意文句はもう気軽には使えないけれど。

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昔過ごした場所に、巡り巡って同じ場所にいる。

石畳の道とか男坂とか二年坂とか。相変わらず坂道ばかりの東山を歩きながら、昔とは生き方も考え方も全然違っていることに気付く。

重要なのは、今どこにいるかではなく、どこに向かって進んでいるかだ

祇園は何度も歩いているけれど、一緒に歩く人によって発見が違う。新しい小径や、以前は立ち止まらなかったお店も見つけた。

たまには散歩に出てみるもんだな。

「観光地はもうお腹いっぱいだ」なんて思ってたけど、それを差し置いても祇園は歩きがいのある場所だった。

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