あるがままなねこを見て思うこと
「ペットは飼い主に似る」というけれど、その猫の様子は飼い主とはかなり対照的だった。
お手製のノートを販売している猫の飼い主は、とても気さくで冗談交じりにその猫を紹介してくれた。猫はそんなことお構いなしに、僕らに甘えることも鬱陶しがることもせず、ただ自分の時間を好きなように過ごしていた。
ペルシャ猫だろうか。
ずんぐりした体型から、大事に育てられているのがすごくわかる。
丁寧に積まれたノートの間をぬって、行ったり来たりを繰り返す。
あまりにもストンと段差を降りるので、この子は自分の体の重さをよく理解しているに違いない。
疲れてたのかもしれないな…
あるがままに過ごす猫をぼーっと眺めていると、周りの目を気にしすぎていた自分に気づいた。
猫は、自分の過ごしたい時間を過ごしているだけ。主人と波長を合わせようとする気配もない。それでもそこにいる1人と1匹は、見事にあたたかい雰囲気を演出していた。
わがままになってみるのも、時には大事なのかもしれない。
場の空気を壊すどころか、空間の一員になることもあるのだ。
そんな気も知らないで、猫はあいかわらず居心地の良い場所を探しながら、僕を見送った。
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