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【Zatsu】次のトレンドを考える

シリーズ「次のトレンドを考える」
記念すべき第1回は、新しい食レポを考えるです。

パソコンの購入検討などであれば、基本的にスペックと見た目、価格、納期で決まるので、公式情報(メーカーのカタログ)があれば事足りる。公平に数値化できる要素が多いため、主観の介入する領域は限定されるんだ。
でも、たとえば飲食店などで感じる満足度はどうだろうか。主観が大部分を占めるので、広告メディアをつうじた従来型の情報発信(お店側の言い分)はアテにならない。それよりも、口コミによるユーザーの情報のほうが信ぴょう性が高い。食べログに代表されるような、利用者中心の情報発信はそういう意見を背景に、支持を拡大してきた。

ポイントは、利害関係の薄い第三者の意見を取り入れるということ。飲食店はそりゃ「うまいよ!」と言うに決まっている。商売だからね。そこへ、実際に店舗へ行った第三者が「マズイ」と告発した。そっちの発言のほうが、第三者であるが故に信頼できるというわけだ。

食レポだって、ラーメンなら石神、回転寿司なら米川、みたいな各分野の担当が自分で食べ歩きしながらあーだこーだウンチク垂れてきたわけだよ。もっとも、お店と客という関係性から考えたら彼らも第三者には違いないんだけれど、ここまで名前が売れてきちゃうと、正直なところ食レポの内容も素直にそのまま受け取っていいものかどうか。そこでおれは、考えた。

ペア食レポ™

二人一組で食レポする。
一人はひたすら食べるだけ。
もう一人がその様子を観察しながら描写レポートするんだ。

これは~ッ! じつにおいしそうだぁ!
おおっと、ちょっと辛かったようであります
うーん、じつに満足そうだ。濃厚な味付け、これは合格点でしょう
(※古舘伊知郎もしくは中村ゆうじの音声で再生してください)

ニューヨークではすでに「#ペア食レポ」ムーブメントが


欠点としてはですね、論評者はあくまで自分で食べていないので、様子をうかがったうえでの推測でしかない。だから、「~らしい」「~ようだ」みたいに語尾がぜんぶ曖昧なんだ。
けれど、それを推測しやすいように食べる側が演技でサポート。ジェスチャーや豊かな表情でYES/NOを示しながら——なんとか……努力で。

主観が混じらないうえに、客観性もあやしい、食レポとしての価値があるのか、と問われると、それについてお答えする義務はありませんので、回答は差し控えさせていただきますが、何が言いたいかというと、新しいトレンドはそう簡単に生まれるものではない、ということだね。安易な考えにはおれは反対です(どの口が?)。


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