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餡子とワインの…マリアージュですと?!

甘いスイーツと甘くないワインのマリアージュは絶対禁忌。スイーツと合わせる場合はそれを超える甘さのワインーーー貴腐ワインとか、レイトハーベストとか、クリオ・エクストラクションとかーーー以外は不可。

これ、ワインのマリアージュにおける通説かつ常識です。なぜなら甘いスイーツはワインの渋味や苦味や酸味やザラザラ感を強調してしまうから。
ワインが美味しいと感じなくなる改悪。

それを覆したのが、掟破りの例外マリアージュを取り上げた昨夜のVinoterasのオンライン講義でした。本日、スイーツのラインナップを充実させて復習、実験なり。


仰天その1。


仏ローヌのヴィオニエ、NZのソーヴィニヨン・ブランとホワイトチョコのマリアージュ。

なんですかこれは!!めちゃくちゃ合う!ワインがドライなのになんで?!
ヴィオニエの蜜蝋っぽさとチョコのオイリーさが混じり合い溶け合うのは、テクスチャーが近く、ヴィオニエの酸度の低さに起因するのでは、と納得できる感覚はあるが、一方でソーヴィニヨン ・ブランよ。なぜ君がホワイトチョコとうまくいく?!
如何とも形容し難いが、トロピカルフルーツに練乳をかけたかのような素敵なマリアージュ。SBがホワイトチョコに異国情緒の明るさをもたらし、チョコはSBのキツめの酸味やピピドシャに柔らかな布をかけて見えなくする。
わあーこの俳優さんたち恋人同士だから、2人でしか出せない化学反応でいい舞台作り上げるね!みたいな感じ。

あ、NZのソーヴィニヨンブランはセブンイレブンのプライベートブランドを買ってきました。


仰天その2。


私の愛するアルザスのゲヴュルツトラミネール(少し残糖あり)とローソンの冷凍アップルパイ。
「ゲヴュルツ」という名前の起源となったスパイスの多様な香りと、シナモンの効いたアポーパイが完全に固くハグをし、ライチとバラの香りもロマンティックに結婚を祝福!
幼なじみだもん、似た者同士で合わないわけがない!というスンバラシー組み合わせ。


極めつけ。


モルドヴァのカベルネ・ソーヴィニヨン(20%フェテアスカ・ネアグラ配合)と「餡子」の組み合わせ。

講師の夫の方が「嫌だけど…合う…」と嫌な顔をしながらも認めざるを得なかったというマリアージュ。これがどうしてもやってみたくて。
実験前は、カベルネ・ソーヴィニヨンは黒胡椒やピラジン香、樽の香りなんかもあるから、歓喜団の餡のような香辛料たっぷりのスパイシーな味になるのかな?と想像していたけれど。

……は…?なぜしっくりくる??

どうしても言葉が出てこなくて3回程度口の中で溶け合わせて熟考し、なんとか表現するとするなら、
「俺ら国際結婚やけどめっちゃ感性合ってるから、まるで前世から一緒にいるみたいに、すんごい落ち着くわあ…」
って感じなのである。
出会ったことで浮かれもせず、むしろ老人の茶飲み友達のように落ち着いて、お互い歳をとって似た者同士になりましたなあーと縁側で茶をすすっている日常。
餡子ってなんですか、ワインってなんですか。
少なくともチョコレートよりもしっくりくるという謎。

フェテアスカ・ネアグラが何らかの役割を担っているのかどうかは分からないけれど、恐らくは果実感が高いタイプのカベソーの方が合わせやすいだろうし、欧州やチリよりは暖かい地域のカベソーで、なんならメルロー等を配合しているものの方が合わせやすいのではないか。

今回は驚いて驚いて驚いたマリアージュたちでした。
あ、これ、もちろん今晩の残業ごはんですから。

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