女性アナを男性同僚はどう呼ぶのか?

ずいぶん間が空いてしまいました。

いろいろ書きたいことはあったのですが、ここに来てTwitterの短文に収めることにこだわりを持ってしまって、こちらに来ていませんでした。

それはともかく、先日Twitterの方で、「NHK赤木野々花アナを放送中に呼び捨てしていた男性アナって…」というような内容のリプを頂きました。確かに私も少々違和感があったのですが、他にも思うところがあったので一度こちらでまとめたいと思います。

まず経緯ですが、11月7日土曜にNHK総合で放送された「土曜スタジオパーク」という番組内でのことです。

この日の放送には古舘伊知郎さんがゲストで出演されており、主に「日本人のおなまえっ」の出演者からのコメントを基に番組の宣伝を行うような内容でした。余談ですが土曜スタジオパークは以前から基本的に番宣番組に感じます。

そして共にMCを務める赤木アナのコメントに対し、古舘さんが赤木さんへ「ゆがんだハープ」というキャッチフレーズを授けた頃に、赤木アナがスタジオにサプライズ登場(乱入?)したという流れでした。この際、土曜スタジオパークのMCを務める男性アナが、「赤木も失敗することはあるんだよね?」という発言をしています。つまり他の出演者には「さん」付けをしているのに、赤木アナだけ呼び捨てはおかしいのでは?という違和感ですね。確かに私も違和感を感じました。

一般的には同じ会社(組織)で働く人を、対外的には名字の呼び捨てで呼ぶことが多いと思います。しかし電話で上司の在席を確認する電話に対し「○○(名字)はただいま席を外しておりますが~」と応じたところ「上司を呼び捨てするなんてどういう教育してるんだ、お前の会社は」とクレームを受けた、という話も聞きますので、不快感を感じる人もいるということだと思います。

ところで、放送業界では女性の名前をどう呼んでいるのでしょうか。

テレビ東京の田中瞳アナは、自身のTwitterアカウントで、現場では「田中」と呼ばれることが多いというような内容をコメントしています。

テレビ朝日の山本雪乃アナは、自身のInstagramアカウントで、初めてインスタライブを行うときに「ゆきの、やってみないか?」と言われたというような内容をコメントしています。

またかつてNHKで「ニュースウォッチ9」のキャスターを務めた大越健介さんは、自身の著書のなかで、同時期にキャスターを務めた井上あさひアナを「あさひさん」と呼んでいたら、友人に「うちの会社ならセクハラに当たる」と言われ「井上さん」に変えた、というような内容を書いておられます。

そして最近のネットニュースには

・「テレビ業界は昔も今も男社会」

・「女子アナがスポンサーとの会食に呼び 出される」

・「ある女子アナは局アナ時代からプロデューサーからの誘いに嫌な顔ひとつしなかったからフリーの今でもレギュラーがある」

など、あたかも男性上司に取り入ることが番組出演に繋がるかのような記事が多く挙げられています。実際そうなのかもしれないですが…。

つまり、一般社会の常識が変化しようと、テレビ業界では「番組に起用する側」と「出演番組をもらう側」というヒエラルキーが存在し、番組に起用する側に男性が多いこと、また出演番組をもらう側に若い女性(アナ)が多いことから、そのまま男性上位のヒエラルキーに置き換えられてしまっている面があるのかもしれません。NHKであれ民放であれ、プロデューサーに番組をもらえなければ仕事にならない、という話は女性アナのインタビュー記事からはよく読み取れる気がします。

どうやら仕事現場では男性が女性アナを名字あるいは下の名前で呼び捨てしているのは状態化しているようですが、画面に映っているときの会話から視聴者が不快感を感じるようではあまり好ましくないのではないでしょうか。「日本人のおなまえっ」でも出演者は赤木アナを「赤木さん」と呼んでいて、呼び捨てにしているのは聞いたことがありません。裏ではどうなのかわかりませんが。

「土曜スタジオパーク」の男性アナは一般的なビジネスマナーより、画面に映ったときに自分の言動が視聴者にどういう印象を与えるか、を優先した方がよかったのかもしれない、と思った一件でした。

※文中のSNSや書籍の引用は、全て私の記憶によるものです。不正確な点があるかと思いますがご容赦ください。


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