ヘブライ語でCOVIDを反対から読んでも、『悪霊が憑依している』にはならねえよ。実にしょうもない。
主張
COVIDを逆から綴ると「divoc」ですが。これは「悪霊の憑依」を意味する。
お時間の無い方の為に
ヘブライ語に"Divoc”なんて言葉はありません。
現存する言葉で最も近いのは、「悪の憑依」を意味する "dibbukですが、言語学の専門家によりますと、この2つは同じではないとのことです。
COVID-19は、"コロナウイルス病2019 "の略称です。"CO"は 「コロナ」、"VI"は 「ウイルス」、"D"は 「病気」を表しています。19という数字は、それが確認された年、つまり2019年を反映しています。
ある女性がTikTokで、”COVID"という言葉を逆から綴ると、他の言語では何か不気味な意味になると示唆しています。
Facebookで公開された15秒の映像の中で、この女性は「これで何人怒らせるか見てみよう」と語っています。『COVIDを逆から書くと。D-I-V-O-Cです。 ヘブライ語で"divoc"は、「悪霊の憑依」の意味です。』
この投稿は、フェイスブックのニュースフィードにおける偽ニュースや誤報に対抗する取り組みの一環として、フラグが付けられました。(Facebookとのパートナーシップについてはこちらをご覧ください。)
これは #大嘘 で、ヘブライ語に"Divoc"なんて単語ではありません。
現存する最も近い単語は"dibbuk"で、英語では"dybbuk"と表記されることがあります。
Jewish Virtual Library百科事典によりますと、ユダヤの民間伝承では、生きている人間に入り込んだり、憑依したりする悪霊を"dibbuk"と呼んでいるそうです。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンでヘブライ語とユダヤ語を教えるLily Kahn教授は、ヘブライ文字は「母音の発音に関してやや曖昧」であり、同じ子音が単語によってbともvとも発音出来るため、人々がこの結論に至ったのではないかとニューズウィーク誌に語っています。
この2つの単語は 「明確に違うものです。」と付け加えました。
オーストラリアのアデレード大学の言語学教授であるGhil'ad Zuckermann氏は、ヘブライ語の綴りでこの単語を見る人がなぜこのような解釈をしてしまうのか、恐らくその理由を示す回答をPolitiFactに電子メールで送ってくれました。彼は以下のように書いています。:
קוביד = COVID
דבוק = dybbuk
「勿論、同じ言葉ではありません。全くの偶然です」と付け加え、更に「何の関連もありません。」と述べました。
SARS-CoV-2ウイルスとその亜種に怪しげな意味を付けようとしたのは、これが初めてではありません。WHOがこのウイルスの新しい名前を発表した時、その命名規則が明らかにされました。
COVID-19は、"Coronavirus disease 2019 "の略称です。"CO"は「コロナ」、"VI"は 「ウイルス」、"D"は「疾患」を表しています。19という数字は、それが確認された年、つまり2019年を反映しています。
評定
Facebookの動画に登場した女性が、COVIDの綴りを逆にすると"Divoc"になり、ヘブライ語で「悪霊の憑依」を意味すると主張しています。
ヘブライ語にはそのような単語はありません。現存する言葉で最も近いのは、「悪霊憑き」を意味する"dibbuk"ですが、この2つは同じ言葉ではないと言語学の専門家は述べています。
私達はこれを「誤り」と評価します。