米作家Naomi Wolf、COVID-19ワクチン接種の母親が「赤ちゃんの死滅」を引き起こしたと虚偽の主張
米作家のNaomi Wolfが、COVID-19ワクチン接種の母親から出産時にに「赤ちゃんの死亡が発生している」と主張する動画が、Facebookで数百回再生されています。しかし、この主張は #デマ です。医師の発言はWolfの主張と矛盾しており、複数の研究により、妊娠中のCOVID-19ワクチン接種は安全であることが示されています。
Donald Trump元大統領の下でホワイトハウス顧問を務めていたSteve Bannonが主催するポッドキャスト《War Room Pandemic》のエピソードに米作家Naomi Wolfが出演した動画が、2022年6月1日、こちらのFacebookでシェアされました。
1分26秒の映像は、190回以上再生されています。
投稿のマレーシア語のキャプションの一部には、Wolfの主張が繰り返されています:
母乳で育てている赤ちゃんは、ワクチンを接種した母親のせいで病気になり、少なくとも1人が死亡した。
Pfizer社のテストに参加した270人の妊婦のうち、236人の参加者記録が失われたが、残った34人の女性のうち、28人の赤ちゃんが死亡した。
スコットランドでは、その2倍の赤ちゃんが死亡した。カナダのオンタリオ州では86人の赤ちゃんが死亡(年平均5、6人)、イスラエルではワクチンを接種した母親の死亡が34%増加した。
![](https://assets.st-note.com/img/1656365820712-h2Ec0BbAIt.png?width=800)
注意:Dr. Naomi Wolfと紹介されることも多いですが、これは博士の方の意味で、専攻は英文学です。つまり、彼女は医者ではありません。
Wolfは2021年、COVIDー19ワクチンに関する誤報をツイートしたことでツイッターからBANされました。Banonも同様です。
この動画は、こちらとこちらでもFacebookで同様の主張と共にシェアされました。
また、こちらとこちらでも同様の主張と共に英語で流布され、250回以上の再生回数を記録しています。
しかし、この主張は #大嘘 です。
誤解を招く死産数
以前、2021年末に「86人の死産」についての主張が流れ、その数字はカナダのオンタリオ州にあるウォータールーからのものとされました。
2021年11月27日、地元ニュース《CityNews Kitchener》が報じたところによりますと、ウォータールー地域の2つの主要病院の関係者は、「死産の増加」に関する主張は #大嘘 であると述べています。
それによりますと、グランドリバー病院とセントメアリー総合病院の共同医局長であるPeter Potts医師は、この年12件の死産が発生したと述べました。
この数字は、Wolfがクリップとニュースレターサイト《Substack》への投稿で2022年5月30日に言及した死産86件より遥かに少ないです。
地域最大の病院であるグランドリバー病院は2021年11月27日に声明をツイートしました。「ウォータールー地域の死産の発生は悲劇的ですが、0.2~0.4パーセントと安定しており、全国平均より低いです」ということでした。
THREAD
— Grand River Hospital (@grhospitalkw) November 26, 2021
We are aware that misinformation has been circulating on social media reporting an increase in stillbirths in the Waterloo region in the last year. Spreading misinformation is dangerous and unfortunate, and creates unnecessary anxiety and fear among expectant families.1/2 pic.twitter.com/GxIUVALOvI
2021年9月にスコットランドで発生した新生児死亡は21件で、出生1000人あたり4.9人の割合--出生1000人あたり2人以上という平均的な割合から上昇しました。
しかし、全国規模のCOVID-19妊娠調査を共同で担当したarah Stock医師は、BBCに「ワクチンは要因にならない」と語ってくれました。
また、2022年2月に発表されたイスラエルの研究では、妊娠中にPfizer/BioNTech社製のCOVID-19ワクチンを接種しても、「子孫への有害な結果とは関連がない」ことが判明しています。
根拠がない
英レディング大学のIan Jones教授(ウイルス学)はAFPに対し、COVID-19ワクチンが妊娠合併症を増加させるという主張は全く根拠がないと述べました。
「現在、何千人もの妊婦がワクチンを接種しているが、何のリスクも確認されていない」と電子メールで語ってくれました。
Jones氏はまた、母親の抗体が新生児を守る源となるため、母乳育児が奨励されると述べました。
「母親がワクチン接種を受けた場合、母親が作った防御抗体は母乳で子供に伝わります。母親が妊娠前にCOVID-19ワクチンを接種していた場合も同様です。」
タイのチュラロンコン大学の予防医学准教授であるThira Woratanarat博士は、AFPに対し、COVID-19ワクチンが妊婦にとって安全であるという証拠が増えてきていると語ってくれました。
同氏は、2022年6月に発表された、母親のワクチン接種と接種後42日間の重篤な急性有害事象の間に関連性がないことを示した研究を引用しました。
また、AFPに対し、妊婦のワクチン接種が赤ちゃんにプラスの影響を与えることを示した米国の研究を引用し、ワクチン接種を受けた女性が赤ちゃんに免疫を与える方法として、授乳が有効であると語ってくれました。
ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で母体胎児医学の主治医を務めるKathryn Gray氏が以前、AFPに対し、妊娠中の患者には《漏れなく》COVID-19ワクチンを勧め続けていると語ってくれたことがあります。
彼女は、2022年に行なわれた23の研究のメタ分析で、次のように結論づけていることを指摘しました:「妊娠中のCOVID-19 mRNAワクチン接種は安全で、死産の減少に関連するようです。」
Pfizer社は2022年6月17日、AFPに対し、自社のCOVID-19ワクチンが妊婦に与える影響についての研究は完了していないと電子メールで回答しました。
同社のワクチンが世界的に妊婦への使用が推奨されるようになると、「このプラセボ対照試験の継続はもはや正当化出来ない」と同社は述べています。
この主張とは逆に、こちら、こちら、こちらといった複数の研究で、ワクチン未接種の妊婦はCOVID-19感染による死産リスクが高いことが判明しています。
ファクトチェッカーであるHealth Feedbackも、Wolfによる同様の以前の主張をこちらで論破しています。
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