肺炎球菌ワクチンは、子どもの自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因になるのでしょうか?いいえ、そんなことはありません: 肺炎球菌ワクチンやその他のワクチンが自閉症を引き起こすという主張を支持する科学的根拠はありません。肺炎球菌ワクチンは、米国疾病管理予防センター(CDC)と世界保健機関(WHO)の両方が推奨しているワクチンです。
この主張は、「何よりもまず,害を与えてはならない(First, do no harm.)」というタイトルで、2023年5月10日にInstagramのスライドショー(アーカイブはこちら)に登場ました。投稿の説明文には次のように書かれています:
執筆時のInstagramでの投稿は以下のような感じでした:
三つ子
Instagramの投稿の4番目のスライドは、肺炎球菌ワクチンとこの3人の子供達が発症したとされる自閉症との関連性を示唆することで、肺炎球菌ワクチンに対する事例を説明しようとしています:
このスライドは、三つ子が「同じ日に自閉症に退行した」「原因は肺炎球菌ワクチンの1回接種である」という主張の根拠を何も示しておりません。Lead StoriesによるGoogleニュース検索では、この投稿で渡された名前の子供達に関する記事は見つかりませんでした。
しかしながら、より広範なGoogle検索では、反ワクチンサイトで、投稿で名付けられた家族、McDowells家について、いくつかの話が出回っているのを発見しましたが、それは主にソーシャルメディア上の動画で見つかったものでした。
McDowell一家のためのGoFundMeキャンペーンに関連した少なくとも1つのYouTube動画が、はっきりしない理由で同プラットフォームから削除されていました。
自閉症スペクトラム障害
ASDは、社会性、コミュニケーション、行動面で重大な問題を引き起こす可能性のある発達障害です。メイヨークリニックによりますと、「既知の単一の原因は存在しません」とされています。また、ASDの原因として考えられるものの中に、ワクチンは含まれていません:
2023年5月12日、Lead Storiesへの電子メールで、CDC上級広報専門家Belsie González氏が、同機関の予防接種安全対策室からの肺炎球菌ワクチンのクレームに返答しています。そこには以下のように書かれていました:
より詳しい情報はこちらで確認することが可能です。
また、CDCのウェブサイトでは、最も一般的な副作用は軽度であり、1~2日続くと付け加えています。このリストでは、ASDの症状への言及はありません:
通常の小児用ワクチンの一部として、乳幼児に肺炎球菌の予防接種をCDCは推奨しています。
WHOも、髄膜炎や肺炎などの病気を予防するために肺炎球菌ワクチンを推奨しており、「世界中で罹患率と死亡率の共通の原因であり、幼児や高齢者により深刻な影響を与えます」と述べています。
Lead Storiesは以前、自閉症とワクチンに関連する追加の主張についてファクトチェックを行なったことがあります。