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天国への階段を上る

天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の6つを六道という。
日蓮宗のある僧侶は、六道についてこう言っていた。
「それぞれが別々のところにあるのではなく、一つのところに重なり合っているんです」

なるほど、そういうものかと思った。
若い頃、私を取り巻く世界は殺伐としていた。私は修羅道にいたのだろう。
が、三十代半ばあたりで世界の見え方が変わり、「穏やかになった」と言われるようになった。住所は変わらなかったが、違う世界に行ったのだ。悪と戦うなど善行を積んだことで、人間道に引き上げられたのだろう。

昨日はAmazonprimeでプレデターシリーズを一気に観た。至福の時だった。天道に行っても、あれ以上の作品はないだろうと思ったが、いや、違う、ここが天道なんだ、俺は天道の住人なんだ、と思い直した。

そう考えるといろいろ合点がいく。たしかにここは天道っぽい。ゲーテはダンテの『神曲』を評して「地獄は素晴らしいが、煉獄は凡庸、天国は退屈」と言った。まさに、その通り。退屈でなければプレデターシリーズの一気見などするわけがない。
私は知らぬ間に天国への階段を上っていたのだ。

地獄については、こちらをどうぞ。


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