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アリミノ プレゼンテーション 2021で活動テーマ『FOR THE FUTURE「ファン」を作ろう!』を提示

 頭髪および肌用化粧品メーカーの(株)アリミノ(田尾大介社長)は、同社の活動方針を発表する場として4月5日(月)10時より、「アリミノプレゼンテーション2021」のオンライン配信を開始した。

 第1部の冒頭で田尾社長は、新型コロナウイルス感染症罹患者、またその関係者へお見舞いの言葉を述べ、世の中の状況を考慮して恒例の代理店会議を中止し、オンライン配信による活動テーマ・方針の発表に切り替えたことを説明した。

 同社長はまず、2020年度の業績について「4月~5月の大打撃を6月に大きく巻き返した後、感染の波が寄せて引いてを繰り返す中で、売上も安定を欠いた。下半期は挽回に努めたが目標達成には及ばなかった」と振り返り、売上高は前年対比95%だったことを報告。メーカー全体の出荷のデータと照らし合わせながら、カテゴリ別の業績にも言及し、前年対比でへカラーは90%、パーマは100%強、ヘアケアは112%、スタイリングは76%と明かした。

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田尾大介社長による2020年の振り返りと2021年の活動テーマ発表。

 善戦したパーマカテゴリについては、「クオライン」の化粧品処方ストレート料の売上が好評で、前年対比127%を記録したと説明。ヘアケアでは、「スプリナージュ」のホームケア新アイテム『ジェントルニュアンスオイル』『パフリフレッシング ミスト』の売れ行きが好調で前年対比126%の伸長、また昨年2月に発売した大人女性向けブランド「コアミー」も順調に売上を伸ばしていることを報告した。スタイリングカテゴリは低迷したが、今年1月に新ブランド「ダンスデザインチューナー」を発売し、高い評価を得ていると、今後への期待を募らせた。

 引き続き、2021年度の活動テーマを『FOR THE FUTURE「ファン」を作ろう!』と発表。プロモーション映像を公開後、田尾社長は「コロナ禍において人々の生活や美容サロンを取り巻く環境が一変したが、それがなかったとしても、美容業界に横たわる問題として、人口減による顧客獲得競争の熾烈化、平均単価の低下、美容師の働き方や学び方の変化など、今までのセオリーが通じない難しい局面にある」との見方を示し、「このような環境下で、今まで以上に美容が強く求められる動機付けを、生活者に促していく必要がある」との意見を述べた。

 その上で「こんな時こそ初心に帰ること。サロンと美容師を応援してくれる既存のお客さま、“ファン”との信頼関係づくりが何よりも大切」と活動テーマの根拠に結び付け、美容室、そして美容師が顧客をファンとして定着させるための、価値づくりのサポートに注力していくことを宣言した。

 最後に田尾社長は、同社が今年創業75年目に入ることに触れ「今年をこれからの未来に向かう新たな基点とし、美容に携わる全ての人とともに日本の美容文化を育て、豊かに広げてゆくことを、今までもこれからも変わらないアリミノのミッションとしていきたい」と決意を新たにし、「昨年はやりたいことができない消化不良の1年だった。皆さんと語り合い、行動し、業界の将来のための財産を少しでも多く積み上げたい」との思いを述べて締めくくった。

 続く田尾圭介専務取締役は、活動テーマを実践するための活動方針について説明。『「ファン」をつくろう!』のテーマが、第2部の特別講演に立つコミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏が唱える「ファンベース」から発想を得ていることを伝え、総売上における顧客層のうち、約2割のファン客の売上が8割を占めるという事例を示しながら、「ファン」を第一に考えた中長期的な営業施策を提案した。

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2021年度の活動方針は田尾圭介専務取締役が説明。

 既存顧客をコアファンへと育ててゆくポイントとして田尾専務は、①共感(価値の向上)、②愛着(代えがたい価値)、③信頼(価値の提供元への高評価)の3点を挙げ、「こだわりメニュー化の徹底」「ご自宅ケアの徹底」と2つの強化策を軸に、各製品ブランドと連動した施策と、eラーンニングやオンラインエデュケーションなど、美容師の技術力・デザイン力アップを図る人材育成支援のコンテンツを紹介した。

 その後、ファンづくりを実践するサロンのダイジェストムービーを公開した他、アリミノのファンづくりを促進する企画として、「カラーストリー アドミオ」の新色案を募る「ツギイロ プロジェクト」の第2弾や大学生のファッションイベント「キャンパスコレクション2021」の参加呼び掛けについて説明があった。さらに「アリミノ ジオマーケティングサポートプログラム」も紹介。大手リサーチ会社による生活者の調査から、サロン出店の際のエリア分析、既存サロンのメニューづくりを支援していくという。

 同社プレゼンの終了後、第2部においては、前出の佐藤尚之氏((株)ツナグ代表他)が「『ファンベース』がどんどん大切になっていく理由」のテーマで特別講演を行った。佐藤氏は「売上」「時代」「類友」をキーワードに、サロンにおけるファンの重要性を提言し「自店の本当の価値を知っているのはファン客。その価値を知るためにはコミュニケーションのデザイン力も問われる」と説いた。

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「ファンベース」について語る佐藤尚之氏。