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3つの“L”をエレメントに年商日本一を目指す6人の共同経営者/『Lond流非合理経営』『マンガ サロン革命物語』を出版2社から同日発行

「Love For All(全ての人、物、事に愛を)」というスローガンのもと、経営理念として3つの“L”を要素とした「従業員の物心両面の幸福の追求」を掲げる美容師集団『Lond(ロンド)』。

Love 愛を持って
Life より素晴らしい人生を
Luxe より贅沢に、より豊かに

 の3拍子を実践することで、従業員と顧客のみならずサロンのステークホルダーへと幸福の輪をつなげてゆく。そのサロン名は音楽の楽曲形式である「Rondo」に由来するが、あえて“L”を頭文字とした造語にしたことで、同サロンが存在する目的意識を強調している。

美容師が辞めない職場環境とは?

「会社が大きくなったから、それにふさわしい理念を後付けするのではなく、1人目のスタッフを迎える時点で、我々はそのスタッフのために会社を大きくしよう、お店をどんどん出店して、それも会社のためではなく、あくまでもそこで働いてくれている、そしてこれから『Lond』を選んでくれるであろう、まだ見ぬスタッフやお客さまのために、この企業理念を掲げました」

 2019年12月、(一社)美容の価値を考える会の会員限定講演会において、ゲスト講師として招かれた、『Lond』6人の共同経営者の1人である吉田牧人氏が、当日の講演テーマ「スタッフが辞めないサロンが“顧客満足”を高める」を裏打ちするように、経営理念の大切さを唱えた。

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『Lond』吉田牧人代表

「この理念に対して、僕たちは本当に真面目に、誠実に向き合って、努力を重ねています。ただ単に掲げるだけではなく、全スタッフに対して時間をかけて理念教育も行っています。『Lond』 はこういったことを大事にしているから、次にこういった活動をするんだということが、スタッフの意識として浸透するよう座学の時間を設けて伝えているんです」

 企業理念の共有、かつ企業が忠実にそれを体現することで、スタッフは誇りを持って、それをお客さまに語り始めるのだと吉田氏は言う。決して強要しなくても、スタッフはそこにいることの幸福感や人の気分を高める取り組みについて、誰かに伝えたくて堪らなくなるのだ。
 そのスタッフの思いが顧客に届くと、企業理念はお客さまの中でストーリー化され、さらにその先を見続けたくなる。つまり顧客がサロンのファンになるということだ。

 講演で吉田氏は、美容サロンに入社早々、先輩美容師から強烈なパワハラの洗礼を浴びせられた体験を明かした。大変な業界に飛び込んでしまったと理不尽さを感じながらも、その時は、それがプロの世界の厳しさと割り切ったという。だから後々、美容師の入社3年以内の離職率が6~7割に達していると聞き及んだ時も、それが意外なこととは感じなかった。

 そして2013年4月、吉田氏は、日本美容専門学校時代のクラスメイトで、将来一緒に店を持とうと誓い合った5人の仲間と共に『Lond』を東京・銀座の一等地に開業。目標は「美容サロンとしての年商国内第1位」と掲げた。それは単に利益を追求するということではなく、「従業員の幸福」が伴っていることを必須テーマとした目標設定だ。

「熱意ある先達がつくり上げてきた業界。後輩をしっかり育て、けん引してきた功績もあるかもしれませんが、行き過ぎた指導、間違った常識も長らくはびこっていた業界でした。その中で、なんとか食らいつきながら成長していく子よりも、そういう環境に身を置き続けられることができない子の方が多いというのが現実問題です」と入社時の出来事も引き合いにしながら述べる吉田氏。「我々はそういった点を見直して、『Lond』という会社を前進させていこうと、“従業員第一主義”と軸とした会社づくりをしてきました」と胸を張る。

6人の出会いだけが奇跡

 実際に創業から5年間。8店舗でスタッフ数が100人手前を数えるようになるまで、離職したスタッフは0人だった。講演時はそれから2年後、20店舗でスタッフ数は130人に達していたが、それでも離職者は僅か4人だ。

 スタッフが入社して辞めないので、育った分だけ店舗増設のステップを踏める。その勢いで2020年以降も、毎年2ケタ出店を計画していたが、そんな矢先、新型コロナウイルス感染の波が押し寄せた。

 2020年4月、最初の緊急事態宣言下において『Lond』は、従業員の安全を最優先し、約1カ月間の臨時休業を決めた。給与保証もアシスタントには100%、スタイリストに対して80~90%の設定で行った。出店計画を見込んで採用した約70人の新スタッフも全員迎え入れたことで、約1億円の赤字という窮地に立たされたが、その間、若手スタッフの早期デビューを目指した育成に注力。休業明けに巻き返して、コロナ禍でも店舗数を7軒増やした。スタッフたちも奮起したおかげで2020年度、黒字決算で終えることができた。

 まだまだ急成長中の『Lond』は、10年後には100~150の出店数を目指すという。奇襲にも近い業界の常識を覆した戦略を、6人の経営者は“非合理的経営”と表現する。ただそれは、スタッフの満足度を高めるための時間やお金の計算において、業界の枠組みには捉われない方法論を模索するスタンスのことであり、その一つひとつの行動は実にロジカルで、かつシンプルだ。

 例えばスタートの地に銀座を選んだ理由と中価格帯を狙った料金設定も、インパクトとして最も効果的であるという狙いからのもの。二極化の傾向にあったサロン業界においては難しい選択と、周囲から忠告や反対の声が上がったというが、銀座周辺の地図を広げて美容サロンの分布を調査。競合しそうな価格帯のサロンが少ないことを確認した上で、勝機は十分あると見込んだのだ。

 蓋を開けるとたちまち注目サロンとなったが、タウン誌やポータルサイトのクーポン、SNSの活用など、集客するためにできるあらゆることに注力し、勝ち得た成果だ。

 また、スタッフが増加するのに伴い、やる気のあるスタッフ、そうでないスタッフの格差も広がっていく。それを同サロンでは「Lond式2・6・2の法則」と見越し、人材運用の戦略をシステム化している。

 『Lond』の経営はどこを切り取っても、偶発的に起こった現象ではなく、必ずそうするに至った意図がある。もしそこに運の要素が介在するとしたら、共同代表の個性ある6人が、同じ美容専門学校の同じクラスで出会ったことだろう。それぞれ得意分野や興味の対象が異なっていたことで、サロン経営で求められる業務を絶妙なバランスで分担できたのだ。

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Lond共同代表6人の役割分担(写真向かって右から)
小林瑞歩(海外戦略、ジャカルタ駐在)
吉田牧人(戦略、ブランディング)
斉藤信太郎(財務、マーケティング)
甲斐紀行(メンター、アイラッシュ事業)
長岡宏晃(技術統括、人事・求人)
石田吉信(サスティナビリティ・CSR、PR    (敬称略)

“サロンスタッフのバイブル”にもなる2冊の経営本

 そんな『Lond』のこれまでの足跡を振り返りつつ、経営の考え方をまとめた『Lond流非合理的経営~スタッフ第一主義を貫き、スタイリスト平均年収800万円実現までの軌跡~』Lond著(女性モード社刊)を発刊。発売後、SNSなどで「出店した場所からの独特な価格設定や営業時間の考え方等、目から鱗の内容、結構一気に読み切ってしまいました」「CSR、SDGsの取り組みは勉強になり、見習わせていただくことが多い内容でした」「業界問わず、経営において大事なものは『人』。それを教えてくれる1冊です」といった賞賛の声が上がっている。

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『Lond流 非合理的経営~スタッフ第一主義を貫き、スタイリスト平均年収800万円実現までの軌跡~』Lond/著 女性モード社刊

 同書が発行となった今年4月12日、弊社(女性モード社)の同業である(株)髪書房からも『マンガ サロン経営革命物語~社員200名・年収800万円を最速で叶えた“難しい方”を選ぶ戦い方』という同じくLond著の書籍も発刊された。

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『マンガ サロン経営革命物語~社員200名・年収800万円を最速で叶えた“難しい方”を選ぶ戦い方』Lond著 髪書房刊

 それについてLond共同代表の1人である斉藤信太郎氏は「ほぼ同時に2社から本出版のオファーを頂きました。両社とも大変お世話になっている出版社だったので、是非そのオファーにお応えしたいという気持ちと、別の出版社から2冊同時発売という業界初の試みに挑戦したいという想いで決断しました」と語っている。常に業界の常識を打破してきた『Lond』だからこそ、浮上してきた発想であり、出版2社もそれに応じるだけの価値がある本になるという判断からその提案を受け入れた。

「自分たちの本が出来た感動と共に、完成度の高さに驚きました。普段スタッフやセミナー、取材などで外部の方にお話しさせて頂いている内容がこのように本になったことで、改めて初心を思い出しました。自社のことを書いた本ではありますが、自分たちが一番勉強になっていますし、これからは『Lond』のバイブルになると思います」と著書の出来栄えに納得の斉藤氏。サロン成長のヒントが盛りだくさんの2冊。未読の方は是非、お取り寄せを。

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