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お土産とTシャツとわたし/高橋 龍

第3回 スーベニアTシャツで脳内トリップ、ひとっとび!

 春がやってきました!暖かくなると気分もうきうきして、どこかへ出かけたくなりますよね。「でも、仕事があるからそんな暇はないし、ましてや、海外旅行なんて絶対に無理!」なんて皆さんはぜひ、スーベニアTシャツを着て、海外旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか? 

 「souvenir(スーベニア)」とは、「お土産」という意味。スーベニアTシャツは、その地域の名前や観光名所、名物がプリントされているお土産用のTシャツのことです。「I ❤ NY」とプリントされたTシャツは、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。旅行中、テンションが上がってついつい買ってしまうスーベニアTシャツ。しまいには現地で家族や友人とおそろいで着てしまうのは、あるあるではありますが、それも良い思い出、ですよね。アメリカでは、1980年代からスーベニアTシャツがつくられるようになりました。地域ごとに個性豊かにデザインされているのが魅力です。日本では、各都道府県でスーベニアTシャツが売られているイメージはあまりありませんね(不思議な熟語がプリントされたTシャツはよく見かけますが)。なぜかなと考えてみると、広大な国土を誇るアメリカにおいては、それぞれの州がまるで1つの国のような存在であり、各州が自分たちの観光資源を独自に国外へ発信していく文化があるということかもしれません。

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お気に入りのカリフォルニアTシャツにケチャップが落ちたことにも気づかず、ハンバーガーに夢中な君。やっぱり幸せそうに食べる女の子ってかわいい。

 ヴィンテージTシャツコレクター目線で申し上げると、ヴィンテージのスーベニアTシャツは比較的手に入れやすいのでおすすめです。やはりお土産用ですから、1980~90年代当時も大量生産され安価で販売されていました。年代ものの証であるシングルステッチ(袖のステッチが1本)で状態の良いものでも、1万円以下で購入することができるでしょう。ただし、特別なTシャツではないからこそ、ランドリー文化のアメリカで何回も洗濯されては乾燥機にガーガーとかけられているはずなので、縮んでいるものが多いです。特に古いものほど縮みやすい綿でつくられているので、表記されているサイズをうのみにしないよう注意しましょう。ご参考までに、サイズが小さいけれどどうしても着たいTシャツに出会ったときの対処方法を左ページの豆知識に記載しておきますのでご覧ください。

 誰かの旅の思い出が詰まったスーベニアTシャツ。元の持ち主の陽気な気分も一緒にまとって、これからはTシャツ1枚でおでかけしましょ!

[お土産]Tシャツコレクション

各地名のロゴのデザインがキュートなものが多いスーベニアTシャツ。お出かけ気分をハッピーに彩る5つの都市のスーベニアTシャツをご紹介。

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アメリカ カリフォルニア州
アメリカの西海岸の州で、人口はアメリカで最大。テーマパークやハリウッドサインでおなじみのロサンゼルスやゴールデン・ゲート・ブリッジがあるサンフランシスコなど観光名所が目白押し。アメリカの中ではハワイの次に日本人が多く訪れる州。

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アメリカ フロリダ州
アメリカ東南部に位置し、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートなどのテーマパークを有する人気観光地。広大な湿原、エヴァグレーズ国立公園にはフラミンゴをはじめ400種類以上の鳥類や100万匹以上のワニが生息している。

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アメリカ ハワイ州
太平洋に位置する島々からなる州で、言わずと知れたリゾート地。全長3キロメートルにも渡って広がるオアフ島の中心地・ホノルルにあるワイキキビーチとその後ろに立つダイヤモンドヘッドの組み合わせはハワイを象徴する風景。

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アメリカ ニューヨーク州
アメリカ北東部に位置。中でもニューヨーク市は同国最大の都市であり、世界の政治、経済、文化、ファッション、エンターテインメントの発信地とも言える。マンハッタンの摩天楼がきらめく夜景は、圧倒的な美しさを誇る。

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カナダ アルバータ州バンフ
カナディアンロッキー山脈観光の中心地で、バンフ国立公園の中心に位置する小さな町。山々が織りなす雄大な景色を求めて多くの人々が訪れる。バンフ・アッパー温泉という天然温泉が名物で、水着着用で入湯可能。

ヴィンテージTシャツの豆知識 vol.3

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小さいTシャツは自分で伸ばしてしまえ!縮んだTシャツは、ぬらしてゆっくり伸ばせば多少大きくなる。ただし、注意点がいくつか。(1)肩の縫製部分は引っ張らない (2)横に伸ばせば縦は縮み、縦に伸ばせば横は縮む (3)ポリエステルのTシャツは伸びにくい

解説_高橋 龍
たかはし・りゅう/映画、音楽、アートのヴィンテージTと90sカルチャーを感じさせる古着を専門に扱う「anytee」のオーナー。
instagram : anyteeshop

イラスト_Mizmaru Kawahara

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※本記事は、『ヘアモード』2019年4月号で掲載した記事を転載しました。