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ドイツ語文法:接続法が分からない

今回は「接続法2式」の使い方について、英語との繋がりで少し記事を書こうと思います。

なお、ドイツでドイツ語を学ばれる方にですが、「接続法2式」はドイツ語では「Konjunktiv II (zwei)」と言います。

「2式」というからには「1式(eins)」もあるのですが、それはまた今度。

今回紹介したい「接続法2式」の代表的な表現は、

「~すればよかったのに」

という、後悔とか非難を表す表現です。

英語では、
I should have done…
I could have done…
I might have done…
I would have done….

と言った表現がこれに当たりますね。

ここで英語とドイツ語の大きな違いを1つ。

英語に引きずられて、
I should have done….を、

「Ich sollte getan haben…」

という風に言ってはいけません。

英語とドイツ語は、この点では作り方が違って、
ドイツ語では、

Ich hätte…tun sollen. 

となります。

抽象的に書きますと、

主語+hätten(habenの接続法2式形)+動詞の原形+助動詞

という順番です。

「すればよかったのに」と過去の話をしているのに、
動詞の過去分詞を使わないところがポイントです。

ここで例えばなぜ「hätte tun gesollt」とかにならないのか?
と言いますと、

ドイツ語では「助動詞+助動詞+動詞」と、複数の助動詞と動詞が並ぶ場合は、過去分詞を使わないという決まりがあるからです。

今回の場合、hätteとsollenはどちらも助動詞で、tunという動詞もあります。

ちなみに、これ自体は、助動詞の勉強、特に「話法の助動詞 (Modalverb)」を勉強すると集中的に勉強できます。

話法の助動詞で過去を表す表現の作り方をしっかり学べば、
接続法2式の過去形の作り方もスムーズに理解できると思います。

では、色々な後悔の話をしましょう。笑

君ならその試験に合格できただろうに。
Du hättest die Prüfung bestehen können

彼女にその知らせを伝えちゃだめだったんだよ。
(伝えるべきではなかったのに)
Du hättest ihr die Nachricht nicht mitteilen sollen

彼がその仕事を処理する必要はなかったんだけどな。
Er hätte die Aufgabe nicht erledigen müssen

あのパーティなんかに行かなきゃよかった。
(私はあのパーティに行くべきではなかったのに)
Ich hätte auf die Party nicht gehen sollen

君なんかの立場で彼女のことを批判しちゃだめだったんだよ。
(君は彼女のことを批判できる立場になかったのに)
Du hättest sie nicht kritisieren dürfen

こんな感じです。

接続法2式でややこしくなるのは過去形の作り方ですね。

というのも、接続法2式の現在形自体が過去形っぽい形だからです。

hätteとかwäreとか、凄く過去形っぽいですよね。
実際、過去形にウムラウトを付けて作りますから。

でもこれはあくまで形の上だけの話。
意味的にはれっきとした「現在」です。

というか、厳密には、接続法には「前」と「後」という順番しかなくて、現在も過去もないと言った方が良いかもしれませんが…。

なので、「することができたのに」と言いたいときに、

könntenを使いたくなるかもしれません。

しかしこれは、könnenの接続法2式の「現在」の形です。
過去形はあくまで「hätten/wären」という助動詞の力を借りないと作れません。

ここは、英語から入ると混乱すると思います。
「could」って、過去形のイメージがありますからね。

実際、英文法では「仮定法過去」と学びますから。
ただこれは、ドイツ語文法では「接続法2式現在」に相当します。

個人的には、英文法より独文法の呼び方の方が正確な気がします。
とにかく、見た目に惑わされないことが大事です!

今回のテーマは以上となります。
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