日本語に似ているドイツ語
今回は、日本語と考え方が似ているドイツ語をいくつか紹介していきたいと思います。
1.die Sackgasse (袋小路)
お気に入りの単語です。Sack=袋、Gasse=路地、なので、まさに「袋小路」という意味になります。
また、
in eine Sackgasse geraten 【直訳:袋小路に陥る】
で、「(物事が)行き詰まる」という意味になりますが、これも「袋小路に入る」と表現の形がとても似ています。
2.die Gänsehaut(鳥肌)
直訳は「ガチョウ肌」ですが、日本語でいう「鳥肌」に当たります。
eine Gänsehaut bekommenで、「ガチョウ肌を手に入れる」、つまり「鳥肌が立つ」という意味になります。
日本語では「鳥肌が立つ」は本来は「寒さや恐怖の表現」という、マイナスなイメージで使われていたのが、近年では「名演奏などへの感動の表現」という、プラスのイメージでも使われています。
面白いことに、ドイツ語でも、この表現は本来マイナスの感情を表現するものだったのが、今ではプラスの意味でも使われるようになったそうです。
3.die Hassliebe(愛憎)
ドイツ語は「憎愛」と順番が逆ですが、日本語と同じく、愛情と憎しみが混じった感情を表します。
これとは関係はありませんが、他言語に訳せない、感情を表すドイツ語の単語に「Schadenfreude」があります。日本語でもカタカナで「シャーデンフロイデ」と書いたりしますが、他人の不幸を喜ぶ気持ちです。直訳は「損害への喜び」。何だかヤバそうな感じが出ていて良いですね。
個人的にはHassliebeよりもSchadenfreudeの方が使う場面が多い気がします。全く別個の感情ですが。
4.過去分詞+bekommen (~してもらう)
最後は名詞ではなく文法事項から。
過去分詞+bekommenで、「~してもらう」という意味になります。
Ich habe die Unterlagen von Frau Dobrindt geschickt bekommen.
(私は今日その書類をドブリントさんに送ってもらいました。)
日本語にするとちょっと不明確ですが、私が書類をドブリントさんから受け取った、という意味です。
schickenが「送る」、bekommenが「もらう」なので、geschickt bekommenが見事に「送ってもらう」と一致する例です。
これは一種の受け身の言い換え表現です。
ドイツ語では能動文の3格目的語は受動文の主語になることができません。
ただし、3格目的語が人間で、動詞が「送る」系の動詞(schicken, senden, zustellenなど※)の場合に、上のように表現することができます。この文自体は能動文です。
【※追記:「送る」という意味ではない動詞(zahlen, regelnなど)も使えることがありますが、全ての動詞が使えるわけではありません。】
上の文は下の表現の言い換えです。
Frau Dobrindt hat mir heute die Unterlagen geschickt.
(「mir」は3格目的語。「私」は人間、動詞は「geschickt」で「送る」を表す動詞なので、一つ上の文のように「私」を主語とした文に書き換えられる。)
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