【英語】現在完了形と過去形の違い
現在完了形には「継続」「経験」「結果」「完了」の主に4つの用法があると学校で習うと思いますが、
これらは全て「今の時点での状態」という、現在完了形の中心的な意味から出てきたものです。
そのため、どれが継続用法で、どれが経験用法か等を問うことはあまり本質的ではないと個人的に思います。
4種類の用法があるということを学習者が知ること自体は大事ですが、実際は意味的に重なったりどちらにも取れることも少なくないからです。
ちなみに、日本語には完了形にぴったり当たる表現はありませんが、否定文になると完了と過去の違いがはっきりと表れます。
私は宿題を終わらせました。(肯定文)
➡ 私は宿題を終わらせませんでした。(過去)
➡ 私は宿題を終わらせていません。(完了)
「まだ」「ちょうど」「もう」と言った副詞の力を借りずとも、否定文なら訳し分けることができます。
そして、日本語でも、完了の否定文の際には「~た」ではなく「~ている」という状態を表す表現を使うことが分かります。
何度も繰り返しますが、現在完了形は「現在の状態」を表す表現なのです。
I have been learning French for two years.【継続】
今のところ、私がフランス語を勉強して2年が過ぎた状態です。(状態)
I have been to Germany twice. 【経験】
今のところ、私はドイツに2回行っています。(状態)
I have lost my key. 【完了・結果】
今のところ、私は鍵を失くしています。(状態)
過去形と完了形の違いが特に分かりにくくなるのは「完了・結果」の時だと思います。
I just finished my homework.
I have just finished my homework.
ネイティブはどちらもほぼ同じような状況で使うと思うので、
「ちょうど終わらせた『ところです』」の「ところです」のように、
ある時点を表す表現を完了形の訳に使っても本質的な違いは見えません。
あくまで現在完了形は「今の時点での状態」に主眼を置いています。
これは「今の時点での進捗状況」とも言い換えられます。
要は、「もう終わったのか」「まだ終わっていないのか」ということです。
過去形は(現時点での)「もう」「まだ」には関心がありません。
過去形は過去にしたこと、起きた出来事を描写するもので、
関心があるのは「いつ?」(動作をしたのが過去なのか否か)です。
極端に言えば1秒前も過去なので、過去形と完了形の違いを「時間差」「時間的広がり」で捉えようとすると、違いがほとんど見えなくなります。
では、「もう」「まだ」に関心があるのはどんなときでしょうか?
例えば依頼した仕事の進捗の確認、お母さんから「ちゃんと宿題やったの?」とチェックされるときなど。
この場合は、「したのはいつなのか」ではなく「今、どうなっているのか」に話者の関心があります。
「今、どうなっているのか」に関心がある時に使う表現が現在完了形です。
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