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【ドイツ語】漢字で覚える前つづり【um(非分離)】【避】【囲】

こんにちは!
今回は、分離と非分離に共通する前つづりのうち非分離「um」を扱おうと思います。

分離と非分離、どう見分ける?

この前つづりも、分離と非分離の区別がなかなか厄介です。

というのも、残念ながら、非分離「um」の持つ意味は、分離「um」の持つ意味と共通しているからです。

ですが、分離と非分離の基本である、「動詞を修飾するのか」「目的語を説明するのか」の違いは存在しているので、これは分離か非分離かを区別する一つの手がかりになると思います。

例えば、「避」(避ける、迂回する)を表す「um」を見比べてみましょう。

Ich umfuhr die Umfallstelle. 【非分離】
(私は事故現場を避けて通った)

[um(避けて)+fahren(通る)]

Ich fuhr wegen des Unfalls um.【分離】
(事故があったので私は回り道をした)

[ich(私)= um(迂回させられた)]

上のように、同じ「迂回する」という意味でも、使い方が微妙に違うことが分かります。

umfahren(非分離)は他動詞、um/fahren(分離)は自動詞なので、単純な比較は難しいのですが、例えばum/leiten(分離)「迂回させる」とumfaren(非分離)を比較すると、

die Unfallstelle umfahren 事故現場を迂回する(=を避けて通る)
den Bus um/leiten   バスを迂回させる(バス=迂回させられた)

と、取る目的語の役割が異なることが分かります。

umfahrenの目的語は「迂回する場所」であるのに対し、
um/leitenの目的語は、「迂回させられる乗り物や人」を表しています。

このように、意味は同じ「避」でも、使われ方が分離と非分離の前つづりでは異なるので、見分けるポイントになるかと思います。

前置きが長くなりましたが、非分離「um」の意味を見ていきましょう。
分離「um」に比べて、その意味の種類は多くありません!

非分離「um」:「避」

既に導入部で出て来た意味ですが、「um」には「避ける」「迂回する」という意味があります。

分離「um」にも「避」の意味はありますが、非分離「um」の場合は、「避ける対象、迂回する対象(=場所、障害物など)」が目的語となります。

umgehen 避けて行く ⇒ 迂回する、回避する
umfahren (乗り物で)避けて行く ⇒(乗り物で)迂回する

非分離「um」:「囲」

次に紹介する意味は、「囲」です。
これは更に「包囲」と「周囲」の二つの意味があります。
「囲む」と「囲みこむように動く(=周りを動く)」の二つです。

「包囲」の「囲」
🍀4格目的語(A)が「囲まれる場所、人」であることに注目。🍀

umgeben 囲むように与える ⇒ ~を取り囲む(主語:山、壁、柵など)
umbinden 囲むように結ぶ ⇒ ~に巻きつける(mit D …を)
umlagern 囲むように宿営する⇒ ~を取り囲む(主語:野次馬、報道陣など)
umpflanzen
囲むように植える ⇒ ~の周りに植える(mit D …を)
umzäunen
囲むように柵をめぐらす ⇒~の周りを柵で囲む

「周囲」の「囲」
🍀こちらは「移動を表す動詞」と一緒に使われます。
同じく、4格目的語が「囲まれる場所」であることに注目。🍀

umfahren 囲みこむように(乗り物で)行く⇒(乗り物で)~の周りを行く
umlaufen 囲みこむように走る ⇒ ~の周りを回転する、~の周りを回る

ここでもう一つ、「分離」と「非分離」の目的語の違いを見てみましょう。

⭐umbinden(非分離)とum/binden(分離)⭐

 Ich umbinde dieses Paket mit einem Strick. 【非分離】
私はこの小包をひもで縛る。
4格目的語:dieses Paket(この小包)
👆「小包」は「囲まれる(縛られる)対象」ですね。
つまり、
この小包を「どう」結ぶのか、というのを
umが補足説明しているわけです。

Ich binde meinem Kind eine Krawatte um.【分離】
私は子どものネクタイを締めてやる。
4格目的語:eine Krawatte (1本のネクタイ)
👆「ネクタイ」は「何か・誰かを囲む(結ぶ)のに用いる物」ですね。
eine Krawatte = um
つまり
ネクタイ = 何かを囲んでいる
という関係が成り立っています。

いかがでしたでしょうか?

しつこいほど「分離」と「非分離」の使われ方の微妙な違いを強調してきましたが、これは前つづりの持つ意味自体は同じためです。

漢字で書き分けができないため、少し多めに説明を加えさせていただきました。

次は、分離「um」について書いていきたいと思います。

ここまでお読みくださいましてありがとうございました!

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