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【ドイツ語】ドアの色々な開閉の仕方

こんにちは!
今回は、ドアを「開ける」「閉める」と言いたいときに使うドイツ語の表現をいくつか紹介しようと思います。

auf/machen と zu/machen

まずは、基本的な単語から。

eine/die Tür aufmachen ドアを開ける
eine/die Tür zumachen      ドアを閉じる

auf/machenとzu/machenは、いずれも「分離動詞」と呼ばれる動詞です。

この二つの単語に共通しているのは、動詞の核となる部分(本動詞:ここでは「machen」の部分)よりも、前綴り(aufやzu)の部分に意味の重点が置かれていることです。

「machen」は「する」という意味を持っているだけなので、2つの動詞はそれぞれ、

「auf(開いている)状態になるように(扉を)する」

「zu(閉まっている)状態になるように(扉を)する」

という意味になります。

なお、分離動詞を使わずに、

eine/die Tür öffnen ドアを開ける
eine/die Tür schließen ドアを閉める

と言うこともできます。

ただ、この記事では、「auf」と「zu」が付いた動詞に着目し、それらの微妙な意味の違いを見ていこうと思います。

auf/halten と zu/halten

次に注目したい組み合わせが次のものです。

eine/die Tür aufhalten ドアを手で押さえて開けておく
eine/die Tür zuhalten ドアを手で押さえて閉めておく

auf/machenやzu/machenとの違いは、新たに「手で押さえて~しておく」という要素が加わった点です。

この新たなニュアンスを付け足した原因は、「halten」という動詞の部分です。

「halten」は、英語の「hold」や「keep」に相当するドイツ語の単語で、「手で押さえておく➡維持しておく、保っておく」というという意味を持っています。

後述の「lassen」との違いは、「halten」の方が動作主が、その状態の維持のために積極的に関与している点でしょうか。

「lassen」では、動作主はその状態をありのままに放置しているだけで、自分でどうかしようとはしません。

「auf(開いている)状態になるように手で(ドアを)押さえておく」

「zu(開いている)状態になるように手で(ドアを)押さえておく」

よく、新入生が授業初日に研究室巡りをするときなどに、大勢の人が通れるように誰かがドアを手で押さえて立っていることが多いですが、あの状態を描写するためにわざわざ存在する単語が「auf/halten」です(もちろん、比喩的な意味で他にもたくさん使いどころのある単語です)。

zu/haltenの方は、ドアというよりも、例えば誰かが誘拐犯が人質が騒がないように押さえている場面を想像して、「der Täter hat ihr den Mund zugehalten(犯人は彼女の口元を手で押さえこんだ)」と言う表現の方が、イメージがしやすいかもしれません。

auf/lassen と zu/lassen

最後の組み合わせは、以下のとおりです。

eine/die Tür auflassen ドアを開けたままにする
eine/die Tür zulassen  ドアを閉めたままにする

lassenは英語の「let」に相当するドイツ語で、「~したままにする」という意味を持ちます。

今回新たに加わったニュアンスは、この「~したままにする」です。

「auf(開いた状態)のままに(ドアを)しておく」

「zu(閉じた状態)のままに(ドアを)しておく」

という意味です。「auf/lassen」は「offen lassen」で言い換えることもできます。「offen」は「open」に相当するドイツ語です。

この表現は、夏場などに部屋から出るときに、「ドア、開けとこうか?」と中に残る人に対して言うときに使ったりします。

auf/haltenやzu/haltenとの違いは、ドアを支えている人がいない点です。

開けっ放し、閉めっ放しにする、というニュアンスがあるのがこのauf/lassenとzu/lassenです。

***

日本語と比べると面白いのが、日本語ではあくまで「開くか閉めるか」に着目しているのに対して、ドイツ語では「どう開閉するか」という点に注目し、「どう」の部分を表すために本動詞の部分を入れ替えていることです。

これと同時に、分離動詞の前綴りが、その動詞の意味を理解する上で意外と重要な役割を担っていることも分かってきたように思います。

今度もこの「auf」と「zu」に注目しつつ、様々なものの「開閉の仕方」について記事を書こうと思います。

ここまでお読みくださいまして、誠にありがとうございました!

【画像:Dimitris Vestikasさま(Pixabay)】


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