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外国語の学び方

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外国語に興味のある方、外国語の勉強法について悩んでいる方に対して、耳よりな情報を紹介しています。
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2024年1月の記事一覧

【ドイツ語】steigen ≠「登る」

こんにちは! 「steigen」というドイツ語の動詞を「登る」という意味で覚えている人、多いのではないでしょうか? 僕もその1人です。 ですが、これは「steigen」の持つ意味の一部しか表していないんです。 「steigen」の意味は、「高低差のある場所を移動する」です。 つまり、「低いところから高いところに移動する」と、「高いところから低いところに移動する」の両方を表す動詞なのです。 基本動詞の1つですが、日本語にはない概念を表す動詞なのです。 「山(Berg)

【英語】インフルエンザと「the flu」

こんにちは! 今、日本でも、私の住んでいるドイツでも、コロナやインフルエンザがとても流行っています。コロナ禍が一応の終りを迎え、人の往来が再び増えている中、病気の往来も増えてきています。皆様もどうぞご自愛ください。 最近英語の冠詞について、もう一度勉強しています。 冠詞に関して、以前、次の2つの本にとても感銘を受けました。 ただ、最近英語史関連の本、つまりは英語の専門家の本を読んでから改めてこの本を読んでみると、「ん?」と思う場所がいくつか見られます。 全体的には読みや

【英文法】sheepの複数形は?

皆さんに質問です。 「1頭の羊」は「a sheep」。 では「3頭の羊」は何というでしょう? 「1匹の魚」は「a fish」。 では「5匹の魚」は何というでしょう? 「sheep」や「fish」に複数形はないと習ったのは私だけでしょうか? 何でも、群れをつくる生き物には単数と複数の概念がない?とか何とか。 ※※※ さて、冒頭の質問の答えです。 「3頭の羊」は「three sheep」。 「5匹の魚」は「five fish」。 何だ、やっぱり複数形はないじゃないか

【英語】定冠詞のキホン(1)

英語の定冠詞には色々な使い方があります。 この記事ではその中でも特に重要な2つの使い方を紹介します。 ずばり、 「同じものの中で、ある特定のものを際立たせる」 「異なるものの中で、ある特定のものを際立たせる」 です。 ここから先は「the orange」という言葉を例にして、それぞれの使い方を順に見ていきたいと思います。 ①同じものの中での特定1つ目は、「同じものの中で、どれか特定のものを際立たせる」です。 上のように、たくさんのオレンジがある場面を想像します。 実際

やはりリスニングって大事なんだなって

最近、急にフランス語が聞こえるようになりました。 先週くらいからかな……先々週までは聞こえなかった気がする。 いつものように討論番組を聴いていたところ、 内容を理解できている自分に気づきました。 ブレイクスルーは、ある日突然やってきて、 あまりの唐突さに、呆気に取られて、感動する暇さえ与えません。 仕事に直結する英語、最優先の外国語であるドイツ語とは異なり、 フランス語は「趣味の外国語」として接してきたので、 「分からなくても良いから響きを楽しみたい」程度に、 何年もちん

【英語】可算・不可算名詞なんてない

引き続き「英語の歴史から考える 英文法の「なぜ」」(朝尾幸次郎著 2019年)の一部受け売りです。 この文を読んだとき、雷に打たれたような衝撃を受けました。 「可算名詞」「不可算名詞」という区別は名詞に内在せず、 同じ名詞でも、話し手の認識次第で数えられたり、数えられなかったりする、ということです。 日本語でも、話し手の認識次第で同じ名詞でも捉え方が変わることはあります。 例えば、 「あ、車がある」 と 「あ、車がいる」  いずれも正しい日本語の表現です。 これを

ドイツ語学習者が古英語を覗いてみると

仮定法をきっかけに英語史に興味を持ち始めました。 今回の記事は「英語史入門」(橋本功著、2005年)の受け売りです。 ドイツ語学習者として興味を持ったのは古英語(西暦700~1100年)です。 古英語は複雑な語形変化を持っており、ドイツ語との類似点が多いためです。 英語を今のイギリスにもたらしたアングロ・サクソン人の故郷が今のドイツのシュレスヴィヒとホルシュタインなので、似ているのもうなずけます。 本来なら比較するドイツ語の方も同時代のものとすべきですが、今回は現代ド

【英語】「名詞の複数形+名詞」の正体

英語で複合名詞、つまり「名詞+名詞」等のような組み合わせを作る時、原則として最初の名詞は単数形を使います。 tennis court teamwork shoelace trouser press 上のように、複合語は単語によって分かち書きしたり一緒に書いたりします。また、普段はペア扱いで複数形を使う名詞(shoeやtrouser)も、1番目に来た時には単数形を使います。 ちなみに、英語の複合名詞の作り方(品詞の組み合わせ)はた~くさんあるのですが、今回は「名詞

英語は簡単と言うけれど

新年明けましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いします。 僕のNoteでは、ドイツ語を中心に、英語を含むその他のいくつかの言語に関してあれこれ理屈っぽい記事を多く投稿しています。 語学は感覚と理論のバランスが大事だと思うのですが、 理屈っぽく考えたくなる癖は治らないと諦める年齢になりました(笑)。 主に、難しいと言われているドイツ語について「実は難しいばかりではありませんよ」という記事を書いたり、 逆に、簡単と言われる英語について「実はそうでもありませ