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【助産師解説】乳腺炎を予防する方法7選

乳腺炎は5-30%のママがなると言われています。
授乳をしているママは、誰でもなる可能性があります。乳腺炎は早期に改善させることが大切になりますので、予防法や改善策を知っておきましょう。

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乳腺炎とは?種類と特徴

乳腺が炎症を起こしている状態です。発熱や悪寒を伴います。
胸の外側の上の方が乳腺炎になる人が多いです。また、1度乳腺炎になった場所は、再度乳腺炎になりやすいです。
これは、1度壊れた組織は再び圧が加わった時に炎症が起こりやすくなるためです。乳腺炎は大きく2種類に分けられます。

うっ滞性乳腺炎

血液や母乳などがたまり、乳腺が圧迫され炎症を起こしてしまうことです。
しこりができたり、乳房が強く張ったり、赤くなったりすることがあります。

化膿性乳腺炎

先程、説明したうっ滞性乳腺炎に細菌感染を伴うと、化膿性乳腺炎となります。
母乳がたまり排出できないことで、外から菌が入ってきて繁殖しやすくなる場合と、傷などが原因となってそこから感染し炎症が広がる場合があります。
悪化すると炎上部分に膿瘍を作ってしまい、治療に切開が必要となることもあります。

乳腺炎になりやすい時期は?

授乳中はいつでも、乳腺炎になる可能性がありますが、産後2-3週間でなる方が1番多いです。

乳腺炎はどんな症状?

乳房にしこりができたり、赤みや熱感を持ちます。
おっぱいの痛みも強く、悪寒や発熱、頭痛を伴うことがあります。身体もだるくなります。感染を伴う化膿性乳腺炎では母乳に膿が混ざることもあります。その場合でも、授乳を続けることが勧められています。

乳腺炎の原因

それでは、乳腺炎の原因を5つ説明します。

乳腺炎の原因1. 母乳がたまる

母乳がたまると、授乳の回数が少なかったり、授乳間隔があくことで起こりやすくなります。例えば、外出をしていたり、夜に長く寝てくれるようになったりすることなどが原因となって授乳間隔があいてしまうことがあります。

乳腺炎の原因2. 乳管の詰まり

乳腺の詰まりはカルシウムや濃縮した母乳などと言われています。
母乳が出にくかったり、出ないことがあれば赤ちゃんの抱き方とくわえ方を確認しましょう。
乳房の周りから乳首向かって優しくマッサージして流すようにしたり、詰まっている部分を軽く優しく圧迫して流れやすくするのも効果的です。

乳腺炎の原因3. 細菌に感染する

母乳がうまく排出できていれば菌は外に押し出されていくので感染を起こしにくいのですが、母乳がたまった状態では細菌が繁殖しやすくなります。
また、赤ちゃんが噛んだりした傷から感染を引き起こすこともあります。

乳腺炎の原因4. ストレスや疲労

ストレスや疲労により、オキシトシンの分泌が増加しプロラクチンの分泌が減少するため母乳がたまりやすくなり乳腺炎を引き起こすことが考えられています。
オキシトシンは母乳を出すホルモンですが、プロラクチンは母乳をつくるホルモンです。母乳はつくられるのに、出にくくなってしまい、母乳がたまりやすくなってしまいます。

乳腺炎の原因5. 乳房の過剰圧迫

乳首に近いところの乳腺は皮膚に近いところに存在します。
そのため、容易に潰れてしまい流れが止まってしまいやすいです。
例えば、締め付けのきつい下着をつけていたり、斜め掛けのカバンをつけたりすることが原因になることもあります。

どんな風に乳腺炎の治療をするの?

たまっている母乳を出すことができれば8-24時間以内に症状が改善していきます。たまった母乳を出しやすくするために、授乳前に乳房を温めると良いです。
赤ちゃんに吸われることが苦痛なほど痛いわけでなければ、乳腺炎を起こしている方から授乳をしましょう。
これは、最初に授乳した乳房の方が飲みとる量が多いためです。抗菌薬が必要と医師が判断する場合もあります。乳腺炎から膿瘍の形成を防ぐ目的があります。
膿瘍を形成してしまった場合は、乳房を切開して膿を出す処置が必要となるばあいもあります。

乳腺炎の予防方法7選

乳腺炎は悪化して、細菌感染から膿瘍形成に至る前に改善させてあげることが大切です。これから説明する7つの予防方法を取り入れて、乳腺炎を防ぎましょう。

乳腺炎の予防① | 左右の乳房から母乳をまんべんなく飲ませる

可能な限り、左右交互に飲ませ始めましょう。
毎回、左から授乳を始めると右側の母乳が飲みとりきれず、乳腺炎になるリスクが上がります。
左右どちらかのおっぱいの張りが強い場合やしこりがある時は、症状のある方から授乳をしましょう。
乳腺炎を起こしてしまった場合も、トラブルのある方から授乳をするようにしましょう。
時々、乳腺炎を起こしている方の授乳を嫌がる赤ちゃんもいます。おそらく、普段と母乳の流れや味が変わるからと考えられます。
その場合は、トラブルのない方から飲ませて、そのまま赤ちゃんを逆のおっぱいへスライドさせて授乳すると良いですよ。

乳腺炎の予防② | 余った母乳は搾乳する

外出や赤ちゃんを預けたりして、授乳の間隔があいている場合は搾乳をして母乳が長時間、たまっている状態にならないようにしましょう。
また、授乳後も母乳が強くたまっている場合は搾乳しましょう。
ここで、注意が必要なのが、搾りすぎると分泌過多になってしまい、毎回、搾乳しないといけなくなってしまいます。
乳房の状態と赤ちゃんの様子から、調整が必要です。

乳腺炎の予防③ | 乳頭クリームの使用

乳頭クリームの使用により、乳首のpHを変化させたり、モントゴメリー線を閉塞させることがあります。
そうすると、本来備わっていた防御作用が低下してしまい乳腺炎になりやすくなるという報告もあります。
乳首の乾燥や傷がある場合は無理して塗るのをやめる必要はありませんが、乳腺炎を繰り返している方や乳腺炎になりかけているような時は塗らずに様子を見てみましょう。

乳腺炎の予防④ | 授乳の方法を見直す

正しい授乳方法がとれているか確認してみましょう。

①赤ちゃんと身体はねじれていないか
②しっかりママと密着できているか
③乳首を浅くくわえていないか
以上の3点を確認して、授乳をしましょう。

しこりやトラブルがある場合には、赤ちゃんの下唇側にしこりがある部分をもっていって授乳しましょう。そして、たまっているところの外側から軽く優しく圧迫して飲ませます。

乳腺炎の予防⑤ | 色々な授乳方法を取り入れる

授乳の姿勢をいつも同じ抱き方ではなく、慣れてきたら色々な方向から飲ませるのも有効です。

乳腺炎の予防⑥ | 乳房を圧迫しすぎない

産後、乳房は張りやすくなり、サイズも大きくなります。
締め付けの強い下着は避け、シートベルトやおんぶ紐など乳房を圧迫しないように注意しましょう。

乳腺炎の予防⑦ | 睡眠をとる

産後、寝不足である人がほとんどだと思いますが、できる限り周囲の人を頼って疲労やストレスをためないように休息をとりましょう。
授乳を休んでしまうと乳腺炎のリスクも上がりますが、授乳間は家事などをせず横になって休む癖をつけてくださいね。

正しい授乳のポジションが分からない方へ

授乳の姿勢は、乳腺炎だけではなく、乳頭の傷を防いでくれます。また、母乳が飲みとれる量にも大きく影響します。産後の入院中だけで、正しい授乳の姿勢を覚えるのは難しいので、分からない時は助産師に相談してみてくださいね。

乳腺炎に関するよくある誤解

授乳中のママがよく誤解している食事と乳腺炎の関係を説明します。
例えば、ケーキやおもちなどを食べたら乳腺炎になってしまう!というようなお話は聞いたことありますか?実は、食事と乳腺炎の関係には根拠がありません。
脂肪が多い食事をしても、母乳中の脂肪量は増えません。
ドロドロした母乳は、乳腺が詰まったり、母乳がたまったりすることで水分が再吸収され母乳が濃縮するために起こります。
食事をバランス良くとることはママの体調を整えてくれますのでおすすめしますが、乳腺炎との関係はありませんので、神経質にならなくて良いですよ。

乳腺炎はよくある症状、悪化する前に専門機関へ

乳腺炎は決して珍しくありません。
授乳をしている方の3-4人に1人は乳腺炎の経験があるといわれています。
大切なのは、悪化する前に対処することです。
乳房や赤ちゃんの飲み方がいつもと違うなあと感じたり、痛みを感じたら積極的にケアしましょう。
ご自身で難しい場合は早めに助産師に相談することをおすすめします。

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