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RunShotはいかにして生まれたのか

 今回は競技から離れて、城西大学男子駅伝部が携わった商品の開発秘話を書きます。

 2021年の箱根駅伝からユニフォームの胸にスポンサーロゴを出せるようになりました。城西大学は「新田ゼラチン株式会社」にサポートを頂いています。新田ゼラチン社とのお付き合いは、私が選手たちへの故障対策に悩んでいたことがきっかけです。

 私は「伝統的なトレーニングから脱却し、新たなレベルを目指したい」という思いで現役のころから運動生理学の基礎から学び、ランニングを科学的に考えてきました。現在では、高強度を意識したトレーニングや低酸素環境でのトレーニング、筋力トレーニング、エアロバイクなど科学的な根拠に基づいたトレーニングを進めています。

 しかし今から6年ほど前、様々なトレーニングを進めていく中で、選手たちの走行距離自体は決して多くなかったものの、故障者が少なくありませんでした。そのほとんどがシンスプリント、腸脛靭帯炎、アキレス腱炎、足底筋膜炎など長距離ランナー特有なものです。いくら科学が進歩してもトレーニングは継続しないと強くなれませんし、故障で試合に出られなければそこまでの努力も無になってしまいます。4年生であればなおさらです。

起伏のあるクロスカントリーコースで鍛える


 
 「どうにかならないかな……」と考え、本学薬学部医療栄養学科の真野博先生に相談したところ、「コラーゲンペプチド」が有効ではないかと教えて頂きました。真野先生は長年にわたって、「新田ゼラチン社」と共同研究を実施していて、コラーゲンペプチドの骨や膝関節への効果、作用機序の解明を進めていました。そこから「新田ゼラチンと一緒にランナーのためのサプリメントを開発しよう!」ということになったのです。
 
 真野先生を中心にした実験では、選手に8週間継続してコラーゲンペプチドを摂取するグループと摂取していないグループとで同じ練習を行い、膝の痛みを測定するJKOMスコア、血液採取による各マーカーを測定しました。その結果、コラーゲンペプチドを摂取している選手たちに、JKOMスコアの改善が見られました。また、マーカー数値では、炎症性サイトカインの産生の抑制、筋肉組織の分解抑制が見られました。要はひざの痛みが抑えられ、かつ筋損傷が抑えられていることが分かったのです。
 
 しかし、それを継続的に摂取できなければ意味がありません。そこで選手らから「ドリンク状にしたものはできないか」と提案がありました。その意見をを反映し、練習後にすぐに飲めること、口の中がさっぱりして美味しいことなど、いくつかの条件をクリアして製品化されたのが「RunShot」です。
 
 「RunShot」は今では城西大学男子駅伝部には欠かせないものとなっています。ひざや足首などの関節、そしてアキレス腱などで、衝撃や疲労による故障は減ったように感じています。コラーゲンペプチドはたんぱく質なので、ウェイトトレーニング後のプロテイン代わりにも利用でき、夏場の走り込み時はもちろん、強度の高いトレーニング後や、試合を走った直後のリカバリーサプリメントとして使用しています。味もおいしいことから即無くなるほどです。
 


右 五十嵐堅太郎(中距離3年)  左 砂岡拓磨OB(コニカミノルタ)


山口浩勢OBもRunShot愛用者。オレゴン世界選手権では決勝進出を達成して欲しい


 私自身も普段ジョギングをしているため、怪我防止のためと思って飲んでいましたが、別の形で効果を感じました。それは乾燥肌が改善されたことです。以前からコラーゲンペプチドは美容の世界で利用されているので、当然と言えますが「皮膚の再生はこうして進むのだな」と実感しています。もちろん怪我もなく、毎朝、選手らと共に汗をかいています。
 
 実験や開発に携わってくれた選手たちは皆、卒業してしまいました。しかし今いる選手たちも「城西大学の練習や先輩たちの意見が反映された製品を使っている」ことを認識していて、それが栄養面やケアへの意識の高まりにつながっているようです。そのことを指導者として嬉しく思っています。

 目標のために自分で考えて練習に臨むのと同様に、体のことを学び、いかにいいコンディションを作るかは強くなるために必要な条件です。
 今現在、このコラーゲンペプチドを使った新たな商品開発を検討中です。選手らの意見を反映したサプリメントにご期待ください!
 

体への吸収も速く、味も美味しい!

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