見出し画像

乗換案内のお仕事:年始にやること

あけましておめでとうございます🎍 ジョルダン「乗換案内」エンジン担当です。

昨年は乗換時間の裏側の記事がnote編集部にも取り上げていただき話題になったので、note運営チームの一員としてもうれしい1年になりました。

今年も様々な記事を発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、ジョルダンは1月4日からが御用始めとなっておりまして、年明けから早速いろいろな仕事に取り掛かっております。
その中で、乗換案内ならではの業務について少し話をできればと思います。

年明けの仕事:3月改正の準備!


エンジン担当の年明けの業務でもっとも重要なもの、それは、

3月ダイヤ改正の準備

です。

例年、3月半ばにJR各社のダイヤ改正が行われます。

3月以外にも細かいダイヤ改正や修正は行われるのですが、それらはJRの地方支社や一部路線の小さな修正に留まることがほとんどです。

対して3月の改正は、北は北海道から南は九州まで、JRの各社が新駅や廃駅、運賃・料金の変更、もちろん列車の増減、種別の変更を多く実施する、メインの改正になります。

またそれに合わせて私鉄各社も大規模な改正を行うため、乗換案内の鉄道部分だけを見てもかなりの改正が行われます。

バスも鉄道との接続を見て改正することが多く、2月から4月にかけて改正が行われるためバス担当も大忙しの時期です。

一般のニュースにもなるため、ご存じの方もいるかと思いますが、JRほか鉄道各社は12月の中旬には3月改正の内容をプレスリリースしています。

そのプレスリリースから対応が必要な改正内容をかたっぱしからタスク管理するシステムに入力します。
この時点で3月の改正規模はだいたい分かりますが、年末年始休暇はそんなことは忘れてのんびりします(笑)

今回の3月改正では対応するタスク(=改正の内容をおおまかに分解して各担当に割り振る作業の数)を数えたら、86個ありました。

準備って何するの?

さて、具体的に準備とは何をするかというと、この86個のタスクを精査して、3月改正のスケジュールを確認する打ち合わせです。

タスク(改正内容)の精査

まずタスク管理ツールに入っている改正の内容ですが、これはほとんどプレスリリースの内容がそのまま入っています。

そしてプレスリリースの内容では、乗換案内を作るのには情報が足りていませんし、そもそも乗換案内でどう対応するかも決まっていません。

そのためタスクを1つずつ確認して、

  • 足りない情報はないか?(たとえば駅ができるなら、駅のよみ隣接駅との距離など)

  • 乗換案内の既存のデータ、プログラムのどこに手を入れるか、どう直すか(とくにプログラムを直さないといけない箇所や、対応の仕方が複数ある場合にどう対応するか)

  • 対応にあたっての注意点はないか?(法人のお客様が気にされる内容なので早めに対応がいる、影響範囲を出す必要がある、他のGUIチームにも共有が必要な内容など)

を協議し、必要であればさらにタスクを分割したり、担当者を決めていきます。

スケジュールの策定

86個のタスクを片付けるのに、3月中旬までにおよそ2ヶ月半。お仕事にもよるかと思いますが、皆さんの感覚では遅いでしょうか?早いでしょうか?

ITエンジニアの感覚だと遅いかもしれませんね。

重ねて言うと、3月改正に対応した乗換案内をリリースするのは、2月の中下旬になるので、そこまでに実装のみならず検証まで含めて終わらせねばなりません。

そうです、3月中旬に改正だからと言って、それまでにリリースすればいいわけではないのです。

3月のダイヤ改正は、時刻表の冊子でいうと3月号に収録されており、この3月号の発売は2月20日頃です。
乗換案内の3月改正のリリースもそれに合わせているため、準備からリリースまでは実質1か月半しかないのです。

加えて言うと、JRは新幹線や特急など指定席の列車は、1か月前から購入できます。
そのため3月12日の改正の特急列車が買えるようになるのは、2月12日になります。そのころに乗換案内を参考に買う特急列車を決めたいお客様も当然いらっしゃるので、新幹線や特急に関する改正対応は、2月20日頃よりもっと早い時期に対応することもあります(このあたりはサービス運営のチームと相談)。

というわけで、86個のタスクのうち、

  • 全体に影響するため優先的に作業したほうが良いもの

  • 特急、新幹線がらみの改正で早期対応が必要なもの

  • 3月の改正対応時点でよいもの

を決めて、それらをいつ頃までに行っておくかを検討しておきます。

といってもこの時点で、ブランチを切って実際の設計・実装作業は始めちゃいますが、スケジュール自体はほぼ未定です。

実際の細かいスケジュール(α版β版はいつにするか、それに向けての単体テストなどの検証の日程、最終のリリース予定日など)は、サービス運営のチームとの協議も必要なので、それらの協議を経た上で決めていきます。

危ないもの、全体に影響するもの、優先度が高いものは先に進めておこうというくらいです。

なお12月中旬にはリリース内容が分かっているのだから、もっと前に始められるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ごもっともで、対応できるものは先行して始めていることもあるのですが、12月のリリース後は、年末年始ダイヤの対応等もあり、あまり3月改正の作業に時間を割くことができないという事情もあります。

まとめ

と、あまり図解することがなく、つらつらと文字だけの投稿になってしまいましたが…。

エンジン担当の年始はこんな感じに始まります。
この先1か月半ほどが繁忙期、1年でもっとも忙しい時期になります。

皆様にご愛顧いただける乗換案内を提供できるよう、尽力してまいりますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?