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高校野球の美徳が球児の思考停止を招く

 前回 2週は「考える力」というテーマの中で、どうやってその力を育むかという手法の話をしてきました。現場で実践した話は取り組みだけでなく大いに参考になるところがあったのではないでしょうか。

 今回は「考える力」の手法よりも、むしろ、考える力を停止させている行為についてのお話になります。分かりやすくいうと「思考停止という病」です。#苫米地英人著

 良かれと思ってチームの徹底事項としているけど、結果、選手たちにとっては思考を停止させている。そんなことが高校野球には往々にしてあります。


第3回 高校野球の美徳が球児の思考停止を招く

 高校野球を長く見てきて思うのですが、「これをやらないと甲子園にはいけない」といった「高校野球の美徳」と言うようなものが、高校野球界の中で膨れ上がってきているような気がします。

それはプレー面にとどまらず、挨拶、靴を揃えること、ゴミ拾い、凡事徹底などなど・・・

 しかし、そうした「高校野球の美徳」は「これをやれば甲子園に近づける」と言う刷り込みや思い込みだけで義務化されて、形式的なものになってしまっているように見えなくもありません。

 きょうはこの問題について、高校野球の多くのチームが取り組んでいる「全力疾走」と「カバーリング」を題材に考えてみたいと思います。

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