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菅原道真が百人一首に残した作品は?

菅原道真が百人一首に残した作品は?

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆幣(ぬさ)とは?を
☆歌枕
☆掛詞
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ このたびは
  幣もとりあへず
  手向山
  紅葉の錦
  神のまにまに

です。

読みは、

♪ このたびは
  ぬさもとりあ
  たむけやま
  もみじのにしき
  かみのまにまに

となります。

太字一カ所が、変わります。

2句切れ。


☆意味

このたびは  (今回の旅は)
幣もとりあへず
   (幣を用意するひまが
    ありませんでした)
手向山   (手向山の神様)
紅葉の錦(この美しい紅葉を
    幣として捧げます)
神のまにまに
 (どうか心のままに
    お受け取りください)


☆幣(ぬさ)とは?

幣(ぬさ)というのは、旅の途中で道祖神(どうそじん)にお参りするときに
捧げたものだそうです。
898年に、菅原道真は、第59代:宇多天皇のお供で吉野へ行きました。
旅立ちが急だったため、お参りするときに捧げる幣(ぬさ)を
忘れてきてしまいました。
宇多天皇が、菅原道真に「何か良いアイデアはないか?」
と命じて、その時に詠んだ歌です。


☆歌枕

手向山は、京都府から奈良県に行く途中の峠ではなかったかと考えられています。
下記記事の12.


 


☆掛詞

1句:「このたびは」
   「たび」が
   「旅」と「度」の掛詞
「今回の旅は」という意味
下記記事の5.





☆文法解説

2句:とりあへず
   「とりあふ」の未然形
 +打ち消しの助動詞「ず」



☆鑑賞

今回の旅が急な出発だったので、神様に捧げる幣(ぬさ)を忘れてしまい、
代わりに、美しい紅葉を捧げます。
という歌です。

それにしても、突然、宇多天皇に無茶ブリされたのに、
咄嗟に幣の代替品を用意して
このような歌まで残すとは、菅原道真はスゴイ人だったのですね。


☆出典



★関連動画



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【菅家】


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