「女は子供を産んで一人前」説

タイトルの話。
そう言れたのは2020年の初夏のこと。

この時期病床に伏せていた母が、体力尽きて癌で亡くなり
私はおばあちゃんとまる一か月近くもの時間を共に過ごしていた。

おばあちゃんはもう90歳。

人生の経験値が私より3倍近くもあるおばあちゃんは
平均より早く母親を失った私を可哀想に思ったのだそう。

どんな邪念もなく、ただそう、本気で私に話してくれたのを覚えている。

女性は子供を産んで一人前になるのよ。
将来一人では生きていけない。
結婚して離婚してもいい、でも子供だけは産んでおきなさい。

確かに、いうなれば私は30代、独身、定職も捨て、親も居ない子もいない。
客観的にこの字面だけを読むと、どうしようもないぐうたら野郎だと言われてもおかしくないほどだ。

さらに言うと、SNSばかりに時間を使い込み
起業だの独立だのまるで「俺、バンドマンになる!」と駆け出した学生並みに志だけはいっちょまえ。

もし私が目の前でそんなこと言ってる友達を見たとしたら
「5年後どうなってるの?」なんて言ってしまうかもしれない。

そりゃあおばあちゃんから見れば心配で仕方ないし、むしろ、いつ死んでもおかしくない。

そんな人間だと自分は思うのです。


表題の発言も、恐らく差別的なニュアンスを含む内容だとは思うけれど、
この発言自体に嫌悪はなく、むしろ、どちらかというと申し訳ない気持ちすら抱えてしまうほどで。

出生率が下がっている今、機能のある自分が産まないのか。なんて。
答えはないし、答えが出たところで結局わたしは今の人生のかじ取りを大きく変えることもない。


私は無駄な議論が好きではないので

本当ならばおばあちゃんに

「むりだよ。わたし、女性と付き合ってるんだもん」

と言いたいところだが、
それこそショックで心臓に影響でも出たらしゃれにならない。


そう、だからここでこの言葉を埋めるのだ。
「私は産まないよ、多分」


私個人の考えは、
近い将来、誰かを里子として迎え入れられたらと思うけど。

なんだか現実的じゃあない。
日本にいて、この制度が確立される頃にはわたしもおばあちゃんかもしれない。

おばあちゃんでもいいよって言ってくれる子がいたら、
その子のために第三の人生が始まるのかもしれない。

そんな第三の人生まで、いっそ半人前で生きてやろうと思っている。
半人前と半人前が同棲してる家だからこそ、二人で一人分。

それまではコザクラインコのくるみちゃん、ひめちゃんがわが子なのです。


あ、我が家にお迎えして一年が経過しました。おめでとう私たち。

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