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Cafe Story

仕事で、
よく利用するカフェは、
お客の【クロスロード】を目の当たりにする。

店内は、
薄暗い温かい色合いの、
【心地よさ】を絵に描いたような、
昔ながらの喫茶店。

店員のワイシャツに黒ネクタイ、
黒エプロンは清潔感も感じる。

【秘密】を語る場所としては、
適した場所なのだろう。

仕事の打ち合わせをしているサラリーマン
次のデートの予定を立てているカップル
世間話をしている主婦たち
独り読書をしている学生

全てが、この空間では、
【絵】の一部となっている。

「彼氏がさー」
と少し大きめに聞こえてくる女子大学生グループの声が
通路2つほど挟んでいても聴こえてくる。

「遠距離でさー私、放っておかれている感じがしてさー」
と仮の名A子が言うと、
「そんなことないでしょーよー」
とショートヘアーで、笑顔が素敵なB子が相槌を打つ。

「だってさーLINEとかはまめなんだけどさー会う機会を作ろうとしてくれないんだよー」
「仕方ないんじゃない?遠距離なんだから」
「いやいや。と言っても東京、神奈川くらいなんだよー」

『いやいや、それは、遠距離ではないでしょ??』
と、呟きながら、聞き手のB子をチラッと見ると、
口角は上がっていて、同調しているようには見えるが、
目が『キリッ』としたのが伺えた。

じっと見ることは出来ないので、
ツッコミが必要な時だけ、彼女たちをちらっと見てしまう…
ただの、変態か?

そんなことを思っていると、
B子が、
「恵まれていると、
どうしても【欲しいもの】が増えちゃうんだよね。
一つ手に入れば、次は、これ。次は…ってさ。
だから、今は、お互いが繋がれていることを大事にしたら?」
B子さん【素敵】…
「そうなんかなー愛されてんのかな〜」
A子は、言う。

このやりとりを聴いていると、
その彼氏に同情すると同時に、
聞き手のB子さんを思うと…
心の声が聴こえてきてしまった。
『一番大事なことを見落としてるよ』

あーもうきーかない。

俺の耳は、たまにこういう現象に陥る。

恵まれているは、
実は盲目になってしまう、

かも。

B子さんに幸あらんことを(笑)

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