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元祖平壌冷麺屋note(228)
娘が音楽会でマリンバを担当することになった。
なかなか思い切った演奏を出来ずにいたので、度胸をつけるために、カフェ蛙や木琴へ一緒に行くことにした。
カフェの中央に鎮座する立派なマリンバは、自由に演奏可能だ。
その日はハロウィン当日で、コスプレをして蛙壱郎と一緒に撮影をするとプレゼントがもらえるということだったので、娘は胡蝶忍の格好をして、ボクは「あのとき助けてもらったカメムシです」の格好(ただのグリーンのトレーナー)をした(特典はお菓子と、眼球も模造品だった)
カフェ内には、ちいかわちゃんの帽子を被った女学生風映画助監督や、二次元の物語屋さんや、十字軍の剣を腰に吊るしたシスターヴァラク風の人や、ゾンビ親子がいた。
シスターヴァラクさんに、どこから来たのですか、と訊ねたら「スコットランドから」と答え、帰る際に、どちらまで帰るのですかと、訊ねたら「ウェールズまで」と答えてくれたのが、後からじわじわ来た。
娘がいざ木琴の練習をしようとしたら、ギャラリーたちが四方を囲い、ボクも百目のうちわを娘に向けたので目が多すぎて萎縮してしまったけど、注目が散った後に、おそるおそる弾き始めた。
音が、学校の木琴よりずっと良い、というのが娘の感想だった。そりゃそうだ。
明日は、音楽会の本番。娘はピアノをずっと習っているので、鍵盤ハーモニカだと容易に演奏できるのだけど、今回は、あえて初の木琴に挑戦。
曲目は、銀河鉄道999。
2年半前。夜のJR車内で娘と車窓の外を観ていたら、
(わあ明石城が青く光っている、何で?)
舞子から須磨間で、目線より上を山陽電鉄が並走し、空を飛んでいるように見えたのだった。
「見て!電車が飛んでる!何で?」
ああ。あれは銀河鉄道だね、夜は空を飛ぶんだよ、とスマホで銀河鉄道999
の最終回を2人で視聴して確認した。メーテルとのお別れのシーン。
「ホントだ。スゴイなあ。でも、こわいから乗りたくはないけどね」
灘駅に着いて、構内から山側を見ていたら、また空飛ぶ電車が光りながら流れ星のように通過していた。
あっ、また銀河鉄道だよ!
「え?ホントだ。って、違うよ。あれは線路あるでしょ?山陽電車だよ。わたし、目が良いからよく見えるもん」
という会話を交わしたのを思い出した。
鍵盤ハーモニカが銀河鉄道の列車だとしたら、木琴は進む先を示す線路の役割だから、列車を包み込む感じで叩くといいね、と話した。
最前列で鑑賞するために、一時間前には運動場に並ぶつもりでいるけど、待機中に何の本を読もうか、と考える時間が一番楽しかったりする。
さあ行くんだ、その顔を上げて
新しい風に心を洗おう
古い夢は置いて行くがいい
再び始まる、ドラマのために
あの人はもう思い出だけど
君を遠くで見つめている
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