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元祖平壌冷麺屋note(46)

数十年ぶりにコールドプレイを聴きながら、数十年間、変わらないサウンドが好きだと感じた。バンド名も大事だと思う。

冷麺を作ることを、英語でコールドプレイと呼ぶ。なんてことは、まるでないけど。

数年おきに村上春樹の作品を読み返している。書かれている文章は、変わっていないはずなのに、その年、その年で感想が変わっていく。定点観測としての読書。

仕事帰りに、SNSでフォローしている「羊男」さんのトークスペースに参席しながら、ラジオのように話を聞いていた。

村上春樹のデビュー作についての話だったので、スピーカーとして参加したかったのだけど、大雨で、自転車に乗っていて、途中、雨宿りに唐揚げ屋さんに立ち寄っていたので、断念した。

大学の卒論が「風の歌を聴け」だったし、村上さんの通っていた高校の隣に暮らしているから、話したいことはたくさんあるんだけど。

ということを、唐揚げ屋のマスターに、代わりに伝えたら、マスターも実は小説を読み始めたくて、村上作品を3つ薦めてほしい、というタイムリーなお願いをされた。

初期三部作、と言いたいところを、あえて「風の歌を聴け」「海辺のカフカ」「騎士団長殺し」にした。理由も添えて。

すると、途中から自分と同じように雨宿りで入ってきた、スカーレットキングスネークのようなストライプのシャツを着たおじさんが、会計をすませて、立ち去り際に振り返った。

「初期三部作を読むべきですよ」

ハルキスト(村上主義者)は、すぐそばにいたのだった。やがて大雨は、イワシとなり、ヒルとなって、王子公園駅の周辺に降り注いだ。

入り口の石は、開いたままだ。

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