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元祖平壌冷麺屋note(195)

洗濯物をコインランドリーで回すあいだ、缶コーヒーとApple Musicの「サマー・オブ・ラブ・ベスト」と「三体」を堪能する。

朝食は、娘とまやむすび。娘がナンセンス漫画を音読するのを聞きながら、アイスコーヒーを飲む。

「おばちゃん、ワンちゃん、なでてもいいですか?」もちろん、いいわよ。
「かまない?」かむ。

藤岡拓太郎「夏がとまらない」

ここで、吹き出す娘の、数年前から、変わらないリアクション。

リアクションといえば、「三体」も序盤は、リアクションの物語だと感じるのだけど、どうだろう。人智を超えたゴースト・カウントダウンに、耐えられず自ら命を絶つ科学者たち。

同じ運命を辿りそうになりながらも、意志の屈強な破天荒刑事の絶妙なタイミングのフォローに救われる科学者。

仕事帰りの、駅のホームのベンチで本を読もうとしていたら、快速電車が通り過ぎるタイミングで、黒い影が電車に吸い込まれていった。

大きな衝撃音が響いたあと、スローモーションで、周りの人たちが駅員さんを呼びに走ったり、していた。

震える指で携帯の110番を呼び出し、一部始終を通報したあと、へたり込んでしまい、動けなかったのだけど、駅アナウンスに従い、いったん改札の外に出て座っていた。鳥肌がおさまらない。

それから集まった救急隊員と警官たちの「目撃者はいませんか?」の呼びかけに応じて、現場検証の協力と、事情聴取を受けることとなった。

パトカーの中で、場所を変え、約1時間。警官が調書を書く時間は、ライトをつけても良いですし、ゆっくりしていてください、ということだったので、目をつぶっていたら先ほどの光景がフラッシュバックしたのでたまらなくなり、「三体」の続きを読み続けたら、少しずつ気持ちが落ち着いてきた。

コインランドリーと、パトカーは読書空間としては悪くない。

帰宅までの時間をじっくり取ってくれた警官は、メンタルケアの達人かもしれない。三体の世界で、情緒不安定になった汪淼を、絶妙なタイミングで(結果的に)救った史強みたいな。

今夜は眠れそうにないから、「エスター ファーストキル」でも、観ようか。







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