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デジタルの仕掛け人が次に破るは「医療の殻」稀代のゲームチェンジャーが挑む変革

今回のインタビューでは、採用広報チームが、取締役COO兼経営戦略局 局長の杉本さんにお話をうかがいます。

ドワンゴでのニコニコ動画をはじめ、数々の意外な掛け合わせでビジネスを大きく成長させてきた杉本さん。経験豊富なビジネスの目で見たジョリーグッドとは。市場、事業が持つ可能性、ソフトの強みと課題。あらゆる角度から語っていただきます。今後のジョリーグッドに抱く大きな期待と現実的な壁を示唆したインタビューとなりました。


杉本 誠司(スギモト セイジ)
  
大学卒業後、株式会社ウェザーニュースへ入社。2003年から株式会社ドワンゴに入社し新規事業を担当。2005年から、株式会社ニワンゴ代表取締役を務め、"ニコニコ動画"の運営、リアルイベントの"ニコニコ超会議"を手掛ける。その後、多くの新規事業開発に携わり、2023年4月からジョリーグッドに入社。


デジタルと共存する世界を創り続けて出会ったVR

ーまずは、これまでのキャリアについてお伺いしたいです。

新卒でウェザーニュースへ入社し10年近く勤めたのち、出版社や広告代理店のような仕事に携わりました。そこでアナログな仕事にも触れて、改めてデジタルの世界に身を投じたいと強く感じていた時に、当時黎明期だったネットワークゲームを制作している会社と出会い、オンラインの世界でできることの大きさに衝撃を受けたんです。

その後、ドワンゴに出会い入社しました。当時のドワンゴはものすごい成長を遂げているところで、着メロビジネスを経て『ニコニコ動画』に携わることになり、子会社の代表取締役まで務めました。

SNSというある種のバーチャル空間で活躍する人、ボカロPとか、歌い手、踊り手さんが現れ始めた頃です。私生活がどんな属性の人でも、ネットワークの中でスーパーヒーローになっている。映画「マトリックス」を彷彿とさせるような逆転現象の世界観です。今でこそ当たり前の世の中ですが、当時はこれは今後の世界を変えるぞ、と確信できるテクノロジーに触れ、大いに期待を抱きました。

ーデジタルの世界に引き込まれ、未来にはこれがスタンダードになると予測していたのですね。

その後、VRに出会い、コンテンツやメディア作りに携わりました。これは本格的にネットワークに没入する世界がやって来るぞ、と確信を深めましたね。

ただ、VRをはじめとするXR領域の現在の課題でもあると思うのですが、まだマネタイズができていないものが非常に多いんです。その中で上路社長がVRを使って医療分野に挑戦されていることを知りました。この分野で「実利が出ている」というのはすごい面白いな、と。

客員教授を務めている大学の講義に上路社長をお呼びして話してもらったら、学生よりも僕がすっかり魅了されて「僕を入社させてください」と直談判しました。笑

ー杉本さんは世界観への感動したもの、可能性の広がりを感じた方向に飛び込んでいかれるのですね。

そうですね、おもしろそうだなと思った方に行き、置かれた立場を楽しんでのめり込みます。そして新しいことをどんどんやりたくなる。根っからのデベロップメント型です。

立ち上げ時期はもうめちゃめちゃ苦しいんですけど、新しいものを見つけて、動いた時の快感が忘れられないんです。

ー病みつきになるのですね。数々のビジネスを安定期へ導かれてきた方ならではの言葉ですね。

いまのジョリーグッドなら、ゲームをチェンジする側の景色を見ることができる

ー入社前~入社当時ジョリーグッドに抱いていた印象を教えてください。

デジタルをベースにして、コンサバティブ(コンサバ)な医療の世界にユニークな方向から挑んでいるな、という印象です。

これって、うまくいけば世の中の常識がひっくり返る可能性を孕んでいると思います。その先端で景色を見ることができる場所は貴重ですし、人生においてすごく大切な体験です。

だからジョリーグッドのメンバーには、世の中を常識をひっくり返す側から見ることを経験してもらいたいと思っています。

ー杉本さんは、ニコニコ動画に携わる中でオンラインとオフライン、ソーシャルと対話することなどまさに「ひっくり返る瞬間」を見ておられたわけですよね。

そうですね。例えばニコニコ動画では映像関係の方々が否定したことが肯定的に変わっていくさまや、著作権の考え方が大きく変わり、私生活がどんな人でもネットワークの中でスーパースターになったり、僕らが企画したイベントに総理大臣が来たりだとか。笑

そういうことから、ゲームチェンジしていく様を見てきています。仕掛ける側になったときのその爽快さ、充実感というのは得難いものです。ジョリーグッドには、それができる可能性が間違いなくあると思っています。

ー言葉の力強さに確信を感じます。メンバーの一員として心強い気持ちです。

難易度の高いチャレンジをするチームだからこその課題

ージョリーグッドではどのようなポジションを務め、ミッションを持っていらっしゃるのでしょうか。

ポジションとしては経営戦略局局長でして、2023年10月から取締役COOに就任しました。既存事業拡大のための戦略設計、新規事業開発、などしております。

一歩目のミッションとしては、目指す未来へジョリーグッドが足並みを揃えてスピードアップできるよう、経営層と現場の橋渡しをすべき立場と考えています。

ー橋渡しとはどのようなことでしょうか。

現在のジョリーグッドは、メンバー間の距離感が近く、関係性が深い状態で目線を合わせることができていると思います。その一方で、思考のレイヤーについてはまだばらつきがある状態だとも言えると思うんです。

上路社長が描き、伝える未来予想図は、ジョリーグッドの3年先、5年先を指しています。ところが、どうしても日々走り続けて具体的な業務をこなしているメンバーは、数か月先までにすべきこと、本年中の目標に焦点が当たってしまいがちです。

そうなると、物事を捉える視座や、戦略戦術に対しての遂行スピード、取捨選択の判断に、経営層と現場で乖離が生まれかねません。

ーそうですね、それぞれが抱える役割の粒度が違うことが、思考に影響してしまう側面はあると思います。

なので、ジョリーグッド全体で目線を引き上げ、揃えていく必要があると思っています。同時に、経営陣の言う抽象的で分かりにくいことを、現場に向けて伝わりやすい言葉に変える、あるいは可視化して具体的なタスクに変えていく。そこを担うのが経営戦略室の主なミッションだと思っています。

ー会社そのものの視座を上げつつ揃えていくような役割ですね。

となると、ここまでお話を伺っていたような事業サイドではなく、まずは社内の統制からスタートされているのですね。

そうですね。
ジョリーグッドは誰も歩いたことのない道を拓いて進むチャレンジをしています。
抜本的な考え方やスタンス、覚悟を揃えて挑む必要があります。マインドをアップデートして、しかも最速で成果を出さなくてはならない。

ー大きなチャレンジをするからこそ、チームを強固にするイメージですね。

医療制度の適切な破壊の先に広がるポテンシャル

ー今のお話は内部向けだったと思います。杉本さんの十八番である、事業推進についても今後の取り組みイメージを聞かせてください。

いかに医療制度を、より良く『壊して』いくかがテーマになると思っています。

ー医療制度そのものを、しかも、壊す……。どういうことでしょうか?

まず、僕がジョリーグッドを通して抱いている未来への期待から説明しますね。

ジョリーグッドが医療で培ったソリューションは、医療という枠組みを超えてもっと多くの人にデリバリーできると考えています。そしてそれにより、あらゆる人々が健康になり、ひいては医療に頼らず健康を保てる人が増えた未来も作り出せるのでは、と思っています。

ージョリーグッドの開発している商品やサービスを、一般利用できる未来ということでしょうか。

そうですね。例えると、大塚製薬さんのポカリスエットのようなイメージです。
病院で患者さん向けに使用していた生理食塩水をアレンジし、一般向けに販売したものがポカリスエットですよね。

医療関係でデリバリーしていた商品をマイナーチェンジし、一般コンシューマーにデリバリーすることでスケールした好例です。しかも、医療的なバックグラウンドの信頼感から、他のスポーツドリンクには一線を画したポジションを確立しています。

このモデルをジョリーグッドに当てはめて考えた時に、この事業はものすごいポテンシャルを持っているのではと気づきました。これは、ちょっと大変なことになるんじゃないかな……と驚いたのを覚えています。

医療業界の中で、いかに優秀な製品をデリバリーするかにとどまらず、最終的にはその先のあらゆる人が健康になる、あるいは健康を保つことができる。それって極端に言うと、病院に来る前に具合が良くなっちゃうんで医療業界も助かるわけじゃないですか。そんな未来を描けるんです。

ーもし、ジョリーグッドが有する技術を、一般ユーザーがセルフケアとして利用できたらすごいことだと思います。

そこでどうしても壁になってくるのが医療制度や、従来の慣習です。やはり医療業界は歴史が古く守旧的です。最後発の僕らが事業性を持ってマーケットを拡大するのは、かなり困難な道だと思っています。

ー業界のコンサバ体質が障壁になっているのですね。

そうですね。加えて、医療制度そのものも、医療を受ける人の方を向いていないのではと疑問に思うことが多々ある現状です。賛否はあるかもしれませんが、本来医療を受ける人にとって適切な制度にするため、改革は必要だと思います。

ーそれが、先ほどの「適切に壊す」ということですね。

それを引き起こすための起爆剤として、僕らは医療のど真ん中で新しい技術を使って実利を出し、事例を作っています。それにより「ジョリーグッドは新しいテクノロジーを医療に持ち込んだ人達だ」というブランディング、ポジショニングはこれまでで成功していると言えますし、引き続き確立させていく必要があります。

ゆくゆくは日本の医療制度そのものを変えていくことを目指しています。

ー高い壁のように聞こえますが、テクノロジーが何よりの武器ですね。

加えて、ジョリーグッドの取引におけるスタンス・ポリシーも戦術としてとても有効だと思っています。

医療というちょっと特殊でコンサバな業界の中で、イチ事業者でありながら、立場のある医療人とも対等の関係でマーケットに入り込むことができている。ともすると医療人へ納入する業者としてへりくだった目線で接しかねないところを、ジョリーグッドはそういう立ち位置にいない。これは実は、医療に関わる事業者にはなかなかできないことです。

対等なビジネスパートナーであろうとする上路社長のパーソナリティが強く影響し、引っ張っていると感じます。これはジョリーグッドに魅了され、入社したいと感じた理由の1つでもあります。

ー市場やテクノロジーだけではない、ソフト面にも強みがあるのですね。

問題を『作る』側にまわることが変革を呼ぶ

ー今後メンバーに期待することや、一緒に働きたい人はどんな人か教えてください。

物事に対して、常に課題『認識』をすることですね。

僕らは子どもの頃から、課題『解決』に慣れています。テストなどの課題を通して学校で習いましたよね。ですが、テストの問題を作る経験はないことが多いですよね。

課題を『認識』していないと問題として相手に問いを立てたり、解決方法を探るまで至ることはできません。問題があれば解くことができるんです。

我々は医療の業界でゲームチェンジャーになろうと思っている。課題を認識して変革のきっかけを作ることが必要です。

ースキルとして、課題解決よりもレイヤーが上のように聞こえますね。

スキルがある方、と言うよりは、観察力がある方、ですかね。物事に対して興味を持って楽しめるかは重要だと思います。

常に歩く人を観察したり、電車の中から街のつくりを眺めたり、こうやって人と相対している時に相手のことをよく見たり。そういう事を通して世の中がどうなっているかを見るイメージです。

ーひとつの物事を様々な角度から見ているのですね。意図して視座や視点を動かすということですね。

僕もまだまだ、気づくことばかりです。ただ固定的な観念に縛られると可能性を狭めます。

ー杉本さんはこれまでこの発想で可能性を拓いて来られたんですよね。

そうですね。一般的には「リスクです」が「それはチャンスです」という感じで。もしかしたらベンチャー企業には共通する考え方かもしれませんね。

今みたいな話が面白いと思ってくれる方はジョリーグッドの仕事を楽しめると思います。そしてそういう方と、業界の常識をひっくり返して、その景色をまた見たいですね。

ーゲームチェンジャーとして必要な要素を聞けたように感じます。ありがとうございました。

(ライティング:橋尾 日登美)