【君はどう生きるか】予想・感想

本日公開された宮崎駿監督作品の
「君はどう生きるか」を
実際見てきてその感想と予想を書きます。
ネタバレ含みますのでご注意ください。

まずこの作品自体事前に詳細を
明かしてなかったという、
意外な背景があったそうだ。
ジブリ作品は必ず映画館で見るという事を、
長年続けて来た私も、今回タイトルだけを
想像して観た。
人間の生涯の事を指しているのだろうと。
単純に考えるとそう思って
不思議でも無いタイトルだ。
だが実際見たが、
人生というテーマにしてはあまりにも
小さく感じた。

今回のキーワードを挙げてみよう。
①死別 ②鳥人 ③不登校 ④別世界
⑤後継者 ⑥出産(生まれる)
⑦流星(塔)⑧弱肉強食 ⑨崩壊
⑩(過保護な)親
まだ正直あるが、とりあえず10個挙げてみた。
これだけこの映画には出た内容とも言えるが、
一度見ただけで全てを
理解することが出来ないは、
情報収集しきれずどれも中途半端に
終わってしまった事が、大きい原因だったと
個人的には思っている。

主人公は早くに母親を戦争による火事で亡くし、
死別を経験したところから物語は始まった。
傍から見たら第二次世界大戦をテーマにした
映画だったと思った人は多かっただろう。
どの作品でもタイトル絵は
その物語の主人公な事が多いが、
アオドリが主人公という描写よりは、
少年が主人公な印象に見えた。
アオドリはどちらかというと
主人公の敵にも見えた。
ラストシーン終盤はお互いを助け合う描写も
含まれていたため、本当の敵はまた別に
居たという事であり、描写一つでこうも
思わせてしまう宮崎駿監督はやっぱり偉人だ。
このアオドリは何処から来たのか、
明確な事は描かれてはいなかったが、
別世界に迷い込んでしまった異母を助けるため
地下世界に降り立つ少年を案内したのはアオドリだ。
アオドリは地下世界という
別世界の住民なのはそれを考慮し確かだ。
だがそのアオドリ自体も、別世界のペリカンに
襲われたり、巨大化したインコの群れ(鳥人間)
にさえ追われてしまっているではないか。
これは私の予測にはなるが、
恐らくそこの鳥たちからしたら
少年の手で世界を変えさせる気だったアオドリは
地下世界にとっての
裏切者だったのかもしれない。
鳥人間のようなインコは強烈なインパクトをした
設定を施されていた。
それは人間でさえも捕食対象だという事だ。
弱肉強食の地球上のシステム上、
この別世界では鳥に支配権を得てると、
私は捉えた。
弱肉強食の世界をひっくり返すこの
別世界は果たして何かを、
色んな読者感想を読んで
理解を深めたいところだ。

そこで地下世界は果たして何か?を
予想してみた。
死後の世界と解釈する人もいるが、
主人公の実母の幼少期時代の
描写が出てきたため、
ただの死後の世界では無いとは思った。
大叔父という主人公の先祖が居たため
あれは死後の世界という点では理解が出来る。
だが主人公の実母、旅の同行人でもある
雇われ人老婆は現実からタイムスリップ
したかのように若返っているため、
死後の世界とは言い難い。
半分合っていて、半分違うという事だ。
今回の別世界で現実世界から迷子になった
登場人物は、
少年、異母、雇われ老婆の三人だ。
幼少期母に案内され異母を探し始めるが、
幼少期母から
「この扉が元の世界に戻れるドアよ」
というようなセリフを吐いているため、
天国と地獄に例えるなら、
門番に天国か地獄かを
案内されるような感覚に近い。
雇われ老婆と実母は別世界で
大役を任されており、
門番に近い役割をしていた。
ようは別世界兼死後の世界は、
ある意味生死分岐点世界なのではないかと
考える。
それは現実世界に還るか、
夢の世界という魂の牢獄と言うような。
幼少期母も現実世界に戻れば故人に成り果て、
雇われ老婆も年老いた姿に戻る。
二人に共通するのは、
母としてもう一度息子に会いたい、
昔みたいに元気な姿になりたい、
という気持ちがもしも二人にあるなら、
夢の世界という牢獄に入る事になった、
物語の人物という解釈も、
しても良い気もしている。
そして門番という役目を与えられ、
二人にとっての理想が叶ったようなものだ。
そう考えると宮崎駿監督が言いたかったのは、
過去ばかり見ず現実を見て
しっかり生きろといった、
ニュアンスに近いメッセージだったのでは
ないかと思えて仕方ない。
門番という生き地獄なんて、
ある意味代償でしかない。
その代償を支払ってまで理想の姿を手に入れたと
考えたら、また想像が広がる。
現代社会において自らの命を絶つ人も居る中、
監督がなにか力強く残した気がしてならない。

鳥人間が何故別世界に居たのかは、
予想がし難く感じているが、
地球儀という主題歌が
設定されているぐらいなため、
この作品は地球の未来を描いていると、
私はもう一つ予想を立てている。
それはある日宇宙から
塔が吹っ飛んできたからだ。
塔に関係した大叔父もまるで
宇宙人に攫われたかのように
行方不明になり果ててしまっている。
その鳥人間自体が、
宮崎駿監督ならではの、
宇宙人なのかと想像してしまっているぐらいだ。
宇宙人とまでは行かなくとも、
地球には無い別のエネルギーが
空から降ってきた。
本来地球は46億年前に出来て何度も
惑星同士の衝突により
絶滅という道を歩んできた。
今現在その地球の唯一の先頭に立っているのが、
私達地球上にいる生物だ。
この物語は
天国と地獄、宇宙、地球と
大きな枠で広がった世界だったと思うと、
この話は私達人類の人生という地球にとっては
短い生の話では収まらない事にもなり、
宮崎監督の脳内が改めて凄いと感じた。


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